2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project Area | Clarification of the mechanism of face recognition by interdisciplinary research |
Project/Area Number |
20119007
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Research Institution | National Institute for Physiological Sciences |
Principal Investigator |
柿木 隆介 生理学研究所, 統合生理研究系, 教授 (10145196)
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Keywords | 脳波 / 機能的MRI / 顔 / 近赤外線分光法 / 認知 |
Research Abstract |
人間の高次脳機能の中でも、「顔認知」は「言語認知」と並んで、他者ならびに社会に適応する上で最も重要なものの1つと考えられる。本研究の目的は、脳波、脳磁図、機能的磁気共鳴画像(fMRI)、近赤外線スペクトロスコピー(NIRS)といった非侵襲的脳機能測定法を用い、基礎研究および臨床研究を行うことによって、人間における顔認知機構を明らかにすることである。 乳児測定用に、軽くて柔らかい新型のNIRS測定プローブを開発して、乳児の顔認知機能の発達を研究している。覚醒状態の乳児を対象にしての記録が可能となったためである。赤ちゃんの顔認知、特に表情認知の発達過程を解析した。すると、笑顔に対しては顔反応領域の活動は持続したが、怒り顔に対しては急速に活動が上昇するが、すぐに低下して持続時間が短い事を明らかにした(Nakato, Kakigi他、2010a)。また、知らない人の顔を見る時には主として右半球が活動するが、母親顔を見る時には両側の半球が活動することが明らかとなり、母親顔が特殊な認知過程を経て認識されている事を示唆する所見であった(Nakato, Kakigi他、2010b)。 脳磁図を用いて、顔の輪郭や内部を倒立した顔画像を見せた時の、顔認知中枢が存在する紡錘状回の反応を検索した。その結果、右半球の紡錘状回の活動は、顔の内部の動きに影響を受け、左半球の紡錘状回の活動は、顔の輪郭と内部の相対的位置関係の乱れに影響される事がわかった(Miki, Kakigi他、2010)。
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Research Products
(9 results)