2009 Fiscal Year Annual Research Report
東アジア・東南アジアの大気汚染による健康影響の評価
Project Area | Impacts of aerosols in East Asia on plants and human health |
Project/Area Number |
20120013
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
本田 靖 University of Tsukuba, 大学院・人間総合科学研究科, 教授 (20165616)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中井 里史 横浜大学, 大学院・環境情報研究院, 教授 (70217644)
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Keywords | 大気汚染 / 地域汚染 / 越境汚染 / 大都市 / 日本 / 短期死亡影響 |
Research Abstract |
本研究は、エアロゾルの健康影響を疫学的に評価することを目的としている。その中で、A01、A02班から得られるエアロゾルの情報を加えることで上記では解明できていない地域における相違の説明を試み、また越境大気汚染の影響についても評価を試みようとするものである。 対象都市は、人口が大きく、気温のデータもそろっている札幌、仙台、東京、名古屋、大阪、福岡とした。観察期間は、現時点で得られた大気汚染、死亡、死亡に影響を与える可能性のあるインフルエンザの患者数、日最高気温のすべてが得られた2000年4月から2007年12月とした。来年度には1976年まで期間を延長する予定である。国際的に、インフルエンザの影響を考慮した解析が必要とされているが、これまでそのような解析が日本ではなされていないので、この解析には大きな意義があると考えられる。なお、大気汚染に関しては、一般環境大気測定局(一般局)、自動車排出ガス測定局(自排局)における時別値を用い、1日20個以上のデータが得られている場合に日平均値を算出し、それ未満の場合には欠損とした。 健康影響に関しては、予備的に東京の65歳以上、男の循環器死亡との関連を観察した。まず、smoothing splineという手法によって曲線の回帰をおこない、見かけ上はSPM濃度が高い方が循環器疾患の死亡を減少させることができるような関連が認められている。次いで、複数の要因を用いた曲線回帰分析のうち、Generalized additive modelを用いて、時間変化と日最高気温を制御したところ、SPMと循環器死亡との関連は、非常に弱いが正の関連があるように見えた。結論は詳細な分析を待たなくてはならないが、ここで観察した範囲でも、季節、あるいは気温による関連の修飾が考えられる結果となったことは興味深い。
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Research Products
(2 results)