2020 Fiscal Year Annual Research Report
Precision design and time-scale analysis of polymer depolymerization and degradation under verious environment
Project Area | Precision Degradation of Polymer and Polymeric Material |
Project/Area Number |
20H05734
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
佐藤 浩太郎 東京工業大学, 物質理工学院, 教授 (70377810)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
石曽根 隆 東京工業大学, 物質理工学院, 教授 (60212883)
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Project Period (FY) |
2020-10-02 – 2023-03-31
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Keywords | リビング重合 / 精密分解 / ドーマント種 / 化学分解 / 重合活性種 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、精密重合で培った知見をもとに、化学分解の制御が可能なユニットの設計・高分子鎖へ導入し、誘発分解による精密分解可能な新規高分子材料の設計指針を探索する。とくに、従来、精密重合において副反応制御に用いられてきた安定な共有結合種を用い、分解の活性種へと変換する未開拓の分解性高分子材料を設計し、その性質を明らかにする。 本年は、とくに以下の点について検討を行った。 1.ドーマント種の導入による分解制御技術の探索 本研究では、使用時の高安定性と使用後の易分解性を両立した材料設計を達成するために、これまでに精密重合において副反応の抑制に用いられてきた共有結合種(ドーマント種)の概念を用いる。そのために、炭素-ハロゲン結合や硫黄結合など触媒や光などの刺激で種々の活性種へと活性化可能な化学結合を末端や側鎖に導入した高分子の合成法を模索した。具体的には、側鎖に直接あるいはモノマー1ユニットを介して導入したラジカル発生可能なモノマーを設計することで、高分子主鎖に複数のラジカルを生じさせる方法や、アニオン重合を用いて比較的低温で合成したポリマー末端にドーマント種を導入することで安定な高分子を合成し、使用後に末端からの解重合を選択的に生じさせる手法を検討した。今後、分解に関する詳細なデータを解析する。 2.モデル分子を用いた高分子の化学分解の再評価と体系化 高分子鎖を形成する様々な化学結合に着目し、熱、光、酸化、加水分解など様々な利用環境下における分子レベルでの化学分解が生じる反応機構を再評価するためのモデル分子の合成に着手した。とくに、融合課題P1(時空間効果の学理)において、まずは、エステル結合に焦点をあて、εかプロラクトンをモノマーとした様々なモデル化合物(低分子化合物からオリゴマー、ポリマーまで)を精密に合成する手法について検討に着手した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
これまでの予備検討において、ポリマー側鎖へのドーマント種の導入や解重合可能なモノマー設計において順調に結果がでつつある。また、エステル結合のモデル化合物の合成についても概ね目処が立っており、領域内共同研究へと展開する。
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Strategy for Future Research Activity |
精密高分子合成反応で培った知見をもとに、合成とは逆の分解反応の制御が可能なユニットの設計・高分子鎖への導入を行い、精密分解可能な新規高分子材料の設計指針を確立することを目的として、さまざまな合成手法について検討を行う。
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Research Products
(1 results)