2021 Fiscal Year Annual Research Report
Project Area | Deuterium Science |
Project/Area Number |
20H05739
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
石元 孝佳 広島大学, 先進理工系科学研究科(工), 教授 (50543435)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
兼松 佑典 広島大学, 先進理工系科学研究科(工), 助教 (10765936)
宇田川 太郎 岐阜大学, 工学部, 助教 (70509356)
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Project Period (FY) |
2020-10-02 – 2023-03-31
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Keywords | 重水素 / 理論化学 / 量子効果 |
Outline of Annual Research Achievements |
重水素化物質の安定性・反応性の制御や薬理活性の本質的な理解のためには、デューテロンの量子性が重水素化物質の電子状態に与える影響を正しく理解することが必要である。本申請では、重水素化物質の物性や反応性に関する本当の姿を明らかにするために、重水素化物質に対して、Born-Oppenheimer (BO)近似を用いない、つまりnon-BO型の新規量子論の構築に取り組んできた。今年度は汎用量子化学計算プログラムGaussian16に開発手法を実装し、MP2やCIなどのPost-Hartree-Fock計算手法への拡張に取り組んだ。併せて、汎用性の高い密度汎関数理論(DFT)への適用範囲の拡大、重水素の関与する水素結合や相互作用のより詳細な解析を可能とするために、Natural Energy Decomposition Analysis (NEDA)への拡張も行った。また開発手法を用いた応用計算として、重水素化物質の電子状態や物性、H/D引き抜き反応におけるKIEの解析を進めた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
今年度の成果として、汎用量子化学計算プログラムGaussian16への開発手法の実装が順調に進んだ。その結果、Post-HFの他、種々のDFTについても計算可能な状況となった。また、振動計算を行うアルゴリズムを追加することが出来た。応用計算についてもいくつかの課題を並行して進めることが出来ており、理論の開発、応用計算ともに、当初の計画通り、おおむね順調に進めることが出来ている。
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Strategy for Future Research Activity |
プログラムの実装については、これまでに開発してきた手法の精度検証などを進めていく。また、大規模計算を可能とするためのONIOMへの適用に向けたプログラム開発を継続して進めていく。さらに、平面波基底とのハイブリッド手法であるCPLB法と組み合わせることで、金属表面吸着におけるH/D同位体効果に関する解析を進めていく。
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Research Products
(18 results)