2020 Fiscal Year Annual Research Report
Development of ultrasonic and magnetic field-sensitive receiver molecules and their application to muscle tissue formation promotion technology
Project Area | Next-generation non-invasive biological deep-tissue manipulation by biomolecular engineering and low physical energy logistics |
Project/Area Number |
20H05758
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
井上 圭一 東京大学, 物性研究所, 准教授 (90467001)
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Project Period (FY) |
2020-10-02 – 2023-03-31
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Keywords | 深部生体操作 / 光熱変換 / 超音波 / 磁場 / 低物理エネルギーロジスティクス |
Outline of Annual Research Achievements |
本計画研究では、超音波や磁場に高感度で応答する新規レシーバ分子を開発し、さらにそれによってイオンチャネルを駆動することで、低物理エネルギーを生理機能に変換するシステムを構築する。そして最終的にそれらを用いた筋細胞の分化誘発の達成を目指す。 2020年度はこのうち磁場操作のため、細菌由来の巨大径機械受容チャネルであるMscLへ、細胞内に普遍的に存在し、巨大鉄ナノ微粒子を内包するフェリチンを、フェリチン結合ドメイン(FBD)を介して結合させる分子系の開発を行った。これによりMscL-フェリチンの二次元ネットワークを形質膜上に形成し、フェリチンをレシーバ分子として、磁場印可に伴う膜曲率の変化とMscLのチャネルの開口を起こすことが期待される。このうちFBD結合ドメインと融合させたMscLについては細胞内膜系への蓄積が見られたことから、今後シグナル配列などを最適化する必要がある。またフェリチンの動態を観察するためmCherryを結合させたコンストラクトを作製したところ、細胞内に良好なタンパク質の発現が見られた。 また計測系として磁場刺激を組み込んだ実験専用のパッチクランプシステムを構築し、特に磁場刺激実験に最適化した細胞還流チャンバーを設計・自作した。また物性研究所国際超強磁場科学研究施設と共同し、新たに多重巻きコイルを用いたパルス磁場印可システムを構築した。これにより最大80ミリテスラ程度のミリ秒磁場パルスを試料ステージ上に印可できることが確認され、過去の先行研究で用いられたものよりも、はるかに高い磁場勾配を用いた磁場操作が今後可能になると期待される。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
2020年度は磁場操作のため、細菌由来の巨大径機械受容チャネルであるMscLへ、細胞内に普遍的に存在し、巨大鉄ナノ微粒子を内包するフェリチンを、フェリチン結合ドメイン(FBD)を介して結合させる分子系の開発を行った。MscL-フェリチンの二次元ネットワークを形質膜上に形成し、フェリチンをレシーバ分子として、磁場印可に伴う膜曲率の変化とMscLのチャネルの開口を起こすことが期待される。このうちFBD結合ドメインと融合させたMscLについては細胞内膜系への蓄積が見られたことから、今後シグナル配列などを最適化する必要がある。またフェリチンの動態を観察するためmCherryを結合させたコンストラクトを作製したところ、細胞内に良好なタンパク質の発現が見られた。 また計測系として磁場刺激を組み込んだ実験専用のパッチクランプシステムを構築し、特に磁場刺激実験に最適化した細胞還流チャンバーを設計・自作した。また物性研究所国際超強磁場科学研究施設と共同し、新たに多重巻きコイルを用いたパルス磁場印可システムを構築した。これにより最大80ミリテスラ程度のミリ秒磁場パルスを試料ステージ上に印可できることが確認され、過去の先行研究で用いられたものよりも、はるかに高い磁場勾配を用いた磁場操作が今後可能になると期待される。
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Strategy for Future Research Activity |
次年度以降、シグナル配列の最適化などによって形質膜上へのMscL-FBDの良好な発現が見られた段階で、内在性フェリチンと結合させ、さらにパルス磁場の印可によるイオン流の測定をパッチクランプ法で行う。得られる電流が弱い場合は、FBDの種類を変えるなどの検討を行う。また超音波操作についても、今後超音波発生装置をパッチクランプシステムに組み込み、MscLやPIEZO1などを発現させた細胞を用いて、超音波で誘起される電流の観測を試みる。
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Research Products
(24 results)
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[Journal Article] Exploration of Natural Red-shifted Rhodopsins Using a Machine Learning-based Bayesian Experimental Design2021
Author(s)
Keiichi Inoue, Masayuki Karasuyama, Ryoko Nakamura, Masae Konno, Daichi Yamada, Kentaro Mannen, Takashi Nagata, Yu Inatsu, Hiromu Yawo, Kei Yura, Oded Beja, Hideki Kandori, Ichiro Takeuchi
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Journal Title
Communications Biology
Volume: 4
Pages: 362
DOI
Peer Reviewed / Open Access / Int'l Joint Research
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[Journal Article] Time-Resolved Serial Femtosecond Crystallography Reveals Early Structural Changes in Channelrhodopsin2021
Author(s)
K. Oda, T. Nomura, T. Nakane, K. Inoue, S. Ito, J. Vierock, ... R. Ishitani, S. Hayashi, H. Kandori, P. Hegemann, S. Iwata, M. Kubo, T. Nishizawa, O. Nureki
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Journal Title
eLife
Volume: 10
Pages: e62389
DOI
Peer Reviewed / Open Access / Int'l Joint Research
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[Journal Article] Schizorhodopsins: A Novel Family of Rhodopsins from Asgard archaea that Function as Light-Driven Inward H+ Pumps2020
Author(s)
Keiichi Inoue, Satoshi P. Tsunoda, Manish Singh, Sahoko Tomida, Shoko Hososhima, Masae Konno, Ryoko Nakamura, Hiroki Watanabe, Paul-Adrian Bulzu, Horia L. Banciu, Adrian-Stefan Andrei, Takayuki Uchihashi, Rohit Ghai, Oded Beja, Hideki Kandori
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Journal Title
Science Advances
Volume: 6
Pages: eaaz2441
DOI
Peer Reviewed / Open Access / Int'l Joint Research
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