2020 Fiscal Year Annual Research Report
臓器形成期までの生体内情報取得と生理的Ex vivo culture法の確立
Project Area | A new foundation for primate developmental biology |
Project/Area Number |
20H05761
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
中村 友紀 京都大学, 白眉センター, 特定准教授 (90648429)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岡本 郁弘 京都大学, 高等研究院, 特定講師 (40648424)
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Project Period (FY) |
2020-10-02 – 2023-03-31
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Keywords | scRNA-seq / 次元の呪い / カニクイザル |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究領域では停滞していたヒト着床後胚発生の理解を発展させるため、カニクイザルを用いた着床直後胚の発生学研究基盤構築を目指す。そのため本研究計画では、(A01a)着床後に出現する全細胞種における全遺伝子プロファイルの同定による情報基盤の構築と(A01b)生体内胚発生を正確に再現した胚の”疑似着床”による試験管内胚発生モデル基盤の構築を目的としている。 これらの達成のため、具体的に(A01a)ではカニクイザル胚を用いた大規模なscRNA-seqデータ取得と、そのデータ解析に必要な”次元の呪い”問題の解決策の開発、またscRNA-seqでは細胞の位置情報を失うことから3D imaging法との照らし合わせによる情報補完による4D transcriptome atlasの構築を行う。また(A01b)では子宮内着床胚における卵黄嚢液の採取と分析と、その情報を参考に胚のEx vivo culture法の改良、そして(A01a)の情報を用いた成否検証を行う。 本年度は、数学者との共同研究により次元の呪い解決法であるRECODE(Resolution of curse of dimensionality)を開発し、既報のマウス着床胚scRNA-seq公開データを用いた検証を行った。そしてこれまで見分けることのできなかった細胞群を同定することに成功した。現在RECODE法に関して、論文準備中であるとともに、一部カニクイザル着床胚のscRNA-seqデータを取得し(E15)、RECODE法を用いた解析の進行中である。サル胚scRNA-seq実験の際、胚を一細胞化する前に卵黄嚢液を採取する予定であったが、行ったE15胚では小さすぎるためこれまでのところ実施に至っていない。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
今年度、RECODE論文を投稿することを目標にしており、ほぼ完成していることからこの点に関してはおおむね順調に進んでいる考える。またサル胚からのscRNA-seqデータ取得に関しても、環境構築の上、実際のデータを取得できていることから、こちらもおおむね順調に進展していると考えている。
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Strategy for Future Research Activity |
これまで特に大きな変更などないことから、当初の予定通り計画的に進める。 特に来年度はRECODE論文の出版と、サル胚からのscRNA-seqデータ取得完了を目指す。また卵黄嚢液の採取と分析データの取得も完了させる。
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Research Products
(8 results)