2022 Fiscal Year Annual Research Report
Project Area | A New Archaeology Initiative to Elucidate the Formation Process of Chinese Civilization |
Project/Area Number |
20H05817
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Research Institution | Meiji University |
Principal Investigator |
神谷 嘉美 明治大学, 研究・知財戦略機構(生田), 研究推進員(客員研究員) (90445841)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
飯塚 義之 金沢大学, 古代文明・文化資源学研究所, 客員研究員 (90804203)
南 武志 奈良県立医科大学, 医学部, 研究員 (00295784)
渋谷 綾子 東京大学, 史料編纂所, 特任助教 (80593657)
石田 智子 鹿児島大学, 法文教育学域法文学系, 准教授 (40624359)
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Project Period (FY) |
2020-11-19 – 2025-03-31
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Keywords | 文化財科学 / 手法解説 / 威信材 / 遺跡出土水銀朱 |
Outline of Annual Research Achievements |
2022年度(令和4年)は海外渡航の制限などが大幅に緩和されたが、本研究課題において調査対象となる中国本土への渡航や現地での出土遺物へのアクセスが昨年度に引き続き制限されて、予定していた中国での現地調査は依然として実施できていない。そこで、カザフスタンやウズベキスタン、モンゴルなど中国以外の地域における調査の機会について検討を行った。また2022年度現地調査できなかった代替として、各メンバーの分析手法のブラッシュアップを進めた。その中で、色彩情報を確認・観察しながら微粒子での元素分析を行うために必要な機器類も整備した。 一方で2022年8月には、第15回領域セミナー「文化財の科学分析~有機物と無機物における調査の実態と課題~」を金沢大学とZoomのハイブリット型式にて開催し、メンバー全員が発表、さらに座談会形式で参加した100名ほどの学生と交流し、アウトリーチ活動(人材育成)に貢献した。さらに2023年1月10日に第22回領域セミナー「残存デンプン粒分析を知る」をオンラインで開催した。 また中国での現地調査ができない時期に検討を始めた入門書的な科学分析ガイドブックについて、2022年日本語版を発行、繰越した経費にて2023年英語版を作成した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
2022年度(令和4年)は、秦以前の古代中国の墓に使用された水銀朱の産地推定について、辰砂鉱山鉱石サンプルと商・周時代の遺跡出土水銀朱を入手でき、分析を開始した。しかしCOVID-19による行動制限の影響は小さくなったものの、調査対象である中国本土への渡航が困難な状況が続き、本年度も実施できなかった。そのため、現地調査を通して得る予定であった新規の出土遺物の入手が水銀朱以外では実現しなかった。本研究課題は科学分析を実施する内容であるため、昨年度に引き続き中国の出土遺物へのアクセスが制限されてしまった結果、研究を推進し難い状況が継続してしまった。 一方で、2023年度に繰越した経費を使用して国内外での現地調査を積極的に実施し、各メンバ―の分析手法を解説した「科学分析ガイドブック」の日本語版ならびに英語版を作成して、国内外への情報発信に努めたことから「おおむね順調に進展している」と判断した。
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Strategy for Future Research Activity |
COVID-19の影響がなくなり国内外の研究機関や現地での調査受け入れが問題でなくなり次第、順次予定している調査を進め、出土遺物の分析用サンプルの入手に努める。同時に、これまでに得たサンプルの整理や分析を引き続き実施する。
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Research Products
(18 results)