2020 Fiscal Year Annual Research Report
Isotopic studies for reconstructing the dynamics of humans and objects in the dawn of Chinese Civilization.
Project Area | A New Archaeology Initiative to Elucidate the Formation Process of Chinese Civilization |
Project/Area Number |
20H05821
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
米田 穣 東京大学, 総合研究博物館, 教授 (30280712)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
澤田 純明 新潟医療福祉大学, リハビリテーション学部, 准教授 (10374943)
岡崎 健治 鳥取大学, 医学部, 助教 (10632937)
石丸 恵利子 広島大学, 総合博物館, 研究員 (50510286)
澤藤 匠 (蔦谷匠) 総合研究大学院大学, 先導科学研究科, 助教 (80758813)
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Project Period (FY) |
2020-11-19 – 2025-03-31
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Keywords | 同位体分析 / 古人骨 / 土器胎土 / 栄養ストレス / 形質人類学 |
Outline of Annual Research Achievements |
代表者の米田は、歯エナメル質炭酸塩の酸素・炭素同位体比を測定するための前処理装置(ガスベンチ)を東京大学総合研究博物館に設置して、炭素・酸素同位体比が既知である炭酸塩標準物質を用いて、反応温度、反応時間、キャリアガス流量などの条件について、最適化を実施して、炭酸塩試料測定用のプロトコルを整備した。また、現生動物歯のエナメル質を用いて、測定条件の微調整ならびに測定精度の確認を実施した。約5㎎のエナメル質粉末で0.1‰以下の測定精度が得られることが確認できた。またストロンチウム自動抽出装置を作成し、運転手順について検討した。 分担者の石丸は、広島大学総合博物館において、土器胎土分析の前処理実験に必要な設備を整備した。歯試料のために開発したストロンチウム自動抽出装置について、土器胎土に応用可能であるかを検討したが、溶解方法が異なっており現状の装置・手順では応用が困難であると判断されたので、従来法による採取効率の向上を検討した。可搬式の適切なドリリング装置を用いることで対応する事が可能であることを確認した。 分担者の蔦谷は、プロテオーム解析の前処理に必要なクリンブースや凍結乾燥器などを総研大に整備した。資料汚染の有無などを標準物質などを用いて確認し、定常的な分析体制を確立した。共同研究で測定を実施するコペンハーゲン大学とも協議をすすめ、前処理手順について問題ないことを確認した。 分担者の岡崎と澤田は近年の発掘人骨の情報を修正し、本科研で対象とする遺跡について検討をすすめた。また既存文献で発表されている計測データを整理して、比較データベースの整備をすすめている。 現地調査については、浙江省考古文物研究所と共同で新石器時代の貝塚遺跡である井頭山遺跡について、土器付着炭化物ならびに動物骨の分析を実施することになり、研究協力者の留学生を現地に派遣して試料採取の準備をすすめた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
2020年度は主に分析環境の整備を計画していたが、おおむね予定通りに完了した。現地調査にむけた予備調査はCOVID-19の影響で実施することができなかったが、中国の一時帰国する留学生の強力で浙江省文物考古研究所との共同研究を開始することで当初目的をほぼ完遂することができた。
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Strategy for Future Research Activity |
2021年度についても日本人による中国現地の調査が困難になる可能性があるので、現地に滞在する研究協力者に分析試料の選択と送付を依頼できる体制を準備する予定である。
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Research Products
(1 results)