2023 Fiscal Year Annual Research Report
Trust Building Through Thought and Strategy
Project Area | Connectivity and Trust-building in the Islamic Civilization |
Project/Area Number |
20H05828
|
Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
山根 聡 大阪大学, 大学院人文学研究科(外国学専攻、日本学専攻), 教授 (80283836)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
後藤 絵美 東京外国語大学, アジア・アフリカ言語文化研究所, 助教 (10633050)
池田 一人 大阪大学, 大学院人文学研究科(外国学専攻、日本学専攻), 准教授 (40708202)
青山 弘之 東京外国語大学, 大学院総合国際学研究院, 教授 (60450516)
菅原 由美 大阪大学, 大学院人文学研究科(外国学専攻、日本学専攻), 教授 (80376821)
工藤 正子 桜美林大学, リベラルアーツ学群, 教授 (80447458)
飯塚 正人 東京外国語大学, アジア・アフリカ言語文化研究所, 教授 (90242073)
中溝 和弥 京都大学, アジア・アフリカ地域研究研究科, 教授 (90596793)
|
Project Period (FY) |
2020-11-19 – 2025-03-31
|
Keywords | イスラーム信頼学 / イスラーム / ロヒンギャ / 南アジア / シリア / 国際情勢 / 思想 |
Outline of Annual Research Achievements |
2023年度のB02班は、来年度の叢書刊行に向け、成果の執筆に注力した。8月8日に研究会をオンライン形式にて開催した。ここでは2023年度からB02班公募研究者として採択された池端蕗子(立命館大学)に同タイトルで報告してもらい、小野仁美氏(東京大学)にコメンテーターをお願いした。イスラーム諸国やウラマーがどのように国際的に結びつき、人権概念の再解釈と人権に関する国際的な合意形成を行っているかが検討された。 10月21日にはワークショップ「シリア人、トルコ人、レバノン人に対する意識調査の結果分析から読み解くイスラームのコネクティビティ」を開催し、分担者青山弘之が報告し、参加者が議論を通して原稿内容のブラッシュアップを目指した。 11月18日のイスラーム信頼学全体会議の一般公開シンポジウムでは、班代表の山根が「南アジア・ムスリムの食がつなぎ、育むもの」という題で基調講演を、そして研究分担者の工藤正子(桜美林大学)が「移民家族における食とジェンダー:つながりとアイデンティティに着目して」という題で報告をそれぞれ行った。 さらに3月16日に東京外国語大学AA研にてB01班と共催で開催予定の国際ワークショップ“Bridging the Past: Connectivity in Historical Narratives and Regime Shifts in the Late Ottoman and Post-Ottoman Periods”では、研究員の藻谷悠介(大阪大学)が“Connecting with Syrians: Muhammad Ali's Rule over Syria in the 1830s”という題目で報告した。このワークショップには海外から気鋭のオスマン史研究者を招聘し、課題研究の成果を英語で広く発信する貴重な機会となった。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
B02班は来年度の叢書刊行に向け、分担者がそれぞれの調査・研究とその成果の執筆に注力してきた。研究会では、叢書の原稿の読み合わせと議論を行い、その内容を吟味・反映することで、叢書の原稿の内容が全体として統一性をもちつつ、B02班が目指すムスリムのコネクティビティに見られる「思想と戦略」の解明ができるように進めてきた。
|
Strategy for Future Research Activity |
本研究課題も1年を残すところとなったので、これまでの成果をとりまとめ、叢書の形でムスリムの思想や戦略性を明らかにして行く。それは、対立や紛争の続く現代において、共存を求める手掛かりになる「カギ」を探し求めていくことが「相手を知る」ことになり、そのことが「自らを知る」ことにつながっていくと信じているからである。本研究は、ムスリム社会と非ムスリム社会を分け隔てて考えるのではなく、われわれ日本人の社会で今起こっている事象とも密接に関係することだと信じており、研究の最終成果刊行に向けて、昨年度同様、研究会を通じて成果に関する議論を続け、成果の刊行を目指す。また、必要とあれば海外での資料収集も行うこととする。
|