2021 Fiscal Year Annual Research Report
Modification of somatosensory behaviors by intervention of glial cell subsets
Project Area | Glia decoding: deciphering information critical for brain-body interactions |
Project/Area Number |
20H05900
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
津田 誠 九州大学, 薬学研究院, 教授 (40373394)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
齊藤 秀俊 国際医療福祉大学, 福岡薬学部, 准教授 (90444794)
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Project Period (FY) |
2020-11-19 – 2025-03-31
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Keywords | アストロサイト / ミクログリア / 脊髄後角 / 脳 / 疼痛 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では,代表者が最近見いだしたHes5陽性アストロサイトサブセット(脊髄では後角表層のみに存在)に注目し,脊髄後角での体性感覚情報処理とその結果として表出する行動における同サブセット固有の役割を明らかにする。本年度は,前年度の研究で明らかにした成果(青斑核ノルアドレナリン(NA)神経シグナルによるHes5陽性アストロサイトの活性化(Nat Neurosci, 2020; Mol Brain, 2021))を受けて,脊髄後角内でのNAによる痛覚制御メカニズムを検討した。マウスの脊髄くも膜下腔内へ投与したNAは,低用量では痛覚過敏,高用量ではその痛覚過敏が消失するという2相性の効果を示した。前者は,Hes5陽性アストロサイト選択的α1A受容体欠損マウスで完全に消失し,後者には影響がなかった。NAは脊髄後角の抑制性介在神経のα1A受容体に作用し,抑制性シナプス後電流の頻度を増加させる(Mol Brain, 2022)。そこで,Vgat-Cre;Adra1aマウスを用いて解析し,NA高用量投与により消失した痛覚過敏が同マウスで再発することを明らかにした。さらに,Hes5陽性アストロサイトからのアデノシンシグナルが抑制性介在を抑制する可能性も捉えた。 Hes5陽性アストロサイトが保有する独自機能の探索のため,Hes5遺伝子にVenusをノックインしたマウスを導入した。同マウス(成体)の脊髄では,Venusが脊髄後角表層に認められ,大部分がアストロサイトに発現していた。さらに,同マウスの生後発達期における脊髄内の発現分布解析を行い,成体期と比較して,深層側でもVenus陽性細胞が認められた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
今年度の実施項目として計画した内容を遂行することができた。
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Strategy for Future Research Activity |
令和4年度の交付申請書の各項目に従って順次予定通り進めていき,分子から細胞,個体レベルで包括的に研究を実施していく。
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Research Products
(21 results)