2022 Fiscal Year Annual Research Report
Modification of somatosensory behaviors by intervention of glial cell subsets
Project Area | Glia decoding: deciphering information critical for brain-body interactions |
Project/Area Number |
20H05900
|
Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
津田 誠 九州大学, 薬学研究院, 教授 (40373394)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
齊藤 秀俊 国際医療福祉大学, 福岡薬学部, 准教授 (90444794)
|
Project Period (FY) |
2020-11-19 – 2025-03-31
|
Keywords | アストロサイト / ミクログリア / 脊髄後角 / 脳 / 疼痛 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では,代表者が最近見いだしたHes5陽性アストロサイトサブセット(脊髄では後角表層のみに存在)に注目し,脊髄後角での体性感覚情報処理とその結果として表出する行動における同サブセット固有の役割を明らかにする。 前年度までに得られた成果(Nat Neurosci, 2020; Mol Brain, 2022)を踏まえ,青斑核の下行性ノルアドレナリン(NA)神経シグナルによる痛覚過敏のメカニズムについてさらに解析を進めた。NAの脊髄くも膜下腔内投与による痛覚過敏は,用量を増加させることで消失するが,そのメカニズムとして,NAによるアストロサイトのβ1アドレナリン受容体刺激が関わることを,AAVを用いたCRISPR-Cas9システムによるノックダウン法により明らかにした。さらに,脊髄スライス標本を用いたパッチクランプ解析により,アストロサイトからのアデノシンシグナルが抑制性介在神経を抑制的に調節している可能性も示唆された。 脊髄アストロサイトの多様性については,これまで樹立したHes5レポーターマウス(Hes5-Venus-KIマウス),全アストロサイトレポーターマウス(Aldh1l1-CreERT2;Rosa-tdTマウス),Hes5アストロサイトレポーターマウス等を用い,シングルセルRNAseq解析に向けた脊髄アストロサイトの細胞単離法を確立した。 Hes5陽性アストロサイトの空間配置決定メカニズムについては,Hes5-Venus-KIマウスの解析から,Notchシグナル阻害薬によって,脊髄後角表層のHes5の発現が低下することを明らかにした。また,Notchシグナルを阻害するMaml1のドミナントネガティブ変異体を脊髄後角Hes5陽性アストロサイトに強制発現させ,Hes5発現低下が認められたことから,Hes5発現制御におけるNotchシグナルの関与が示唆された。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
今年度(翌年度までの継続も含む)の実施項目を遂行することができた。
|
Strategy for Future Research Activity |
令和5年度の交付申請書の各項目に従って順次予定通り進めていき,分子から細胞,個体レベルで包括的に研究を実施していく。
|
Research Products
(22 results)