2023 Fiscal Year Annual Research Report
Modification of somatosensory behaviors by intervention of glial cell subsets
Project Area | Glia decoding: deciphering information critical for brain-body interactions |
Project/Area Number |
20H05900
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
津田 誠 九州大学, 薬学研究院, 教授 (40373394)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
齊藤 秀俊 国際医療福祉大学, 福岡薬学部, 准教授 (90444794)
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Project Period (FY) |
2020-11-19 – 2025-03-31
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Keywords | アストロサイト / ミクログリア / 脊髄後角 / 脳 / 疼痛 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では,代表者が最近見いだしたHes5陽性アストロサイトサブセット(脊髄では後角表層のみに存在)に注目し,脊髄後角での体性感覚情報処理とその結果として表出する行動における同サブセット固有の役割を明らかにする。 これまで得られた成果を踏まえ,青斑核の下行性ノルアドレナリン(LC-NA)神経シグナルによる痛覚過敏のメカニズムをさらに詳細に解析した。まず,下行性LC-NA神経の光遺伝学的刺激による脊髄後角でのNA放出を,脊髄後角アストロサイト特異的GrabNE発現マウスの脊髄スライスを用いて解析し,刺激強度依存的なNA放出を確認した。また,同刺激条件で痛覚過敏行動が出現し,その行動はα1A受容体阻害剤の脊髄くも膜下腔内投与により消失した。さらに,LC-NA神経の活動計測のためのファイバーフォトメトリー実験を開始した。 また,脊髄組織からのアストロサイトの単離法の最適化を行った。従来法では分取できるアストロサイト細胞数が非常に少なかったが,本研究では,低温活性化プロテアーゼ,細胞核マーカーDRAQ5およびACSA-2抗体を組み合わせたことで,高収率のアストロサイト単離法を新規に確立できた。また,灰白質アストロサイトをACSA-2強陽性細胞として分取できることも明らかにした。さらに同法を用い,シングルセルRNA-seq解析を実施し,詳細なデータ解析を開始した。 さらに,発達に伴うHes5陽性サブセットの時空間解析をHes5-Venus-KIマウスを用いて検討し,Hes5の発現が時空間的に変化することを示した。これまでの検討でHes5陽性アストロサイトが侵害刺激で活性化することを明らかにしているが,同様の刺激でHes5発現に変化は認められなかった。しかし,末梢神経損傷モデルにおいてHes5発現が減少することを明らかにした。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
今年度(翌年度までの継続も含む)の実施項目を遂行することができた。
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Strategy for Future Research Activity |
令和6年度の交付申請書の各項目に従って順次予定通り進めていき,分子から細胞,個体レベルで包括的に研究を実施していく。
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