2021 Fiscal Year Annual Research Report
Dynamic control of immune and inflammatory cell behavios by peropheral nervous system
Project Area | Glia decoding: deciphering information critical for brain-body interactions |
Project/Area Number |
20H05901
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
石井 優 大阪大学, 生命機能研究科, 教授 (10324758)
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Project Period (FY) |
2020-11-19 – 2025-03-31
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Keywords | 医療・福祉 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度には、以下の研究課題に取り組んだ。 1.疾患モデルにおける好中球由来小胞の生理的意義の解明 様々な臓器の臓器傷害モデルを作成し、血管内に放出される好中球由来小胞の回収、解析を行った。特に好中球の集積が確認される臓器傷害モデルとして、具体的にはLPS誘導肺炎モデルを用いることとした。C57B6/J背景の好中球を特異的に蛍光標識したレポーターマウス(LysM-EGFPマウス)で肺炎モデルを作成し、末梢血を回収した。遠心分離とフローサイトメトリーにより、好中球とは大きさで区別されるLysM-EGFP陽性の好中球由来小胞を回収し、これを別の個体に投与し、それぞれの全身状態の病態への影響を評価した。その結果、特定の小胞を投与した際に、内分泌系の調節に関与しうることを発見した。今後さらに臓器障害における影響(心臓の壊死領域、心機能、線維化、血管新生、免疫細胞の集積)を評価する。 2.好中球由来小胞の標的細胞の同定 好中球由来小胞がどこに集積するかを以下の方法で調べた。全身の細胞でluciferaseとGFPを発現しているマウス(CAG-luc,-GFPマウス)で臓器障害モデルを作成し、血液を回収した。Ly6G陽性(予備実験にて確認済み)の好中球由来小胞を回収し、別の個体に投与した。この結果、一部の好中球由来小胞が視床下部に集積し、これが中枢神経系への作用を発揮していることが示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
令和2年末から開始されたが、これまでに自律神経系のイメージングや小胞の神経系への作用などの解析系の確立に成功しているため。
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Strategy for Future Research Activity |
中枢神経系においては、血管内皮細胞や血管周囲に存在するミクログリアが取り込みの候補として考えているが、取り込みが確認できた細胞を選択的に除去するシステム(選択的クロドロン酸リポソーム投与や、ジフテリア毒素除去モデル)の開発を行う。このため、レーザーマイクロダイセクション、フローサイトメトリーの手法を組み合わせて、標的細胞を回収し、RNAseqを行い、標的細胞の遺伝学的特徴を解析する。また、近年、末梢神経に近接し、神経伝達物質の受容体を発現する神経関連マクロファージが注目されている。本研究者も肝臓において新規の神経関連マクロファージの存在を同定しており、本年度からこの細胞の同定とその機能の分子基盤の解明を行う。
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Research Products
(4 results)