2023 Fiscal Year Annual Research Report
不規則な環境変動に応答した気孔開度と花成の制御機構
Project Area | Multi-layered regulatory system of plant resilience under fluctuating environment |
Project/Area Number |
20H05910
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
木下 俊則 名古屋大学, 理学研究科(WPI), 教授 (50271101)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
今泉 貴登 名古屋大学, 遺伝子実験施設, 招へい教員 (60767466)
児玉 豊 宇都宮大学, バイオサイエンス教育研究センター, 教授 (00455213)
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Project Period (FY) |
2020-11-19 – 2025-03-31
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Keywords | 気孔 / 環境変動 |
Outline of Annual Research Achievements |
植物の段階的な乾燥ステージゲート応答の分子機構を明らかにすることを目的として解析を進め、これまでの研究により、bHLH転写因子AKSs/FBHsが重要な役割を 果たすことが明らかとなってきた。そこで、今年度は、AKSs/FBHsのリン酸化部位の経時変化と共同沈降タンパク質について、プロテオミクス解析を進め、AKS1に おける乾燥処理に応答したリン酸化変動や共同沈降タンパク質を同定した。さらに、支援班の協力のもと、aks変異体と野生株の網羅的な発現解析を進め、転写因 子AKSの標的因子について、AKSのプロモーターへの結合実験を行った。 次に、変動光環境における気孔開閉の制御機構について解析を進め、暗転した葉では、葉内[CO2]が急激に高まり、それが孔辺細胞の細胞膜H+-ATPaseの迅速な脱リン酸化を引き起し、気孔閉鎖が誘導されていること、さらに、この葉内[CO2]上昇に応答したH+-ATPaseの急激な脱リン酸化のシグナル伝達に関わる分子実体が明らかとなってきた。また、気孔開口のシグナル伝達についての解析を進め、孔辺細胞の細胞膜H+-ATPaseの新規のリン酸化部位881番目のスレオニン残基が気孔開口に極めて重要な役割を果たしていることを証明し、論文として発表した。さらに気孔開度制御に関わる新規因子を同定し、現在、不均一環境に応答した気孔開度制御への関与 についての解析を進めている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
大きな研究の柱としている段階的な乾燥ステージゲート応答において鍵となる転写因子を同定し、その標的が次々と明らかとなってきた。今後これら標的の分子機構を解析をすることで、植物における段階的な乾燥ステージゲート応答の分子レベルでの解明につながると考えられる。
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Strategy for Future Research Activity |
これまでに明らかとなったきた植物の段階的な乾燥ステージゲート応答や変動光環境における気孔開度制御において関わっている因子の孔辺細胞内での具体的な 作用機作の解析をさらに進めることで、本領域の大きな目標である不均一環境における植物の環境応答の分子機構を明らかにしたい。
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[Journal Article] Identification and improvement of isothiocyanate-based inhibitors on stomatal opening to act as drought tolerance-conferring agrochemicals.2023
Author(s)
Aihara Y, Maeda B, Goto K, Takahashi K, Toh S, Ye W, Toda Y, Uchida M, Asai E, Sato A, Itami K, Murakami K, Kinoshita T
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Journal Title
Nature Communications
Volume: 14
Pages: 2665
DOI
Peer Reviewed / Open Access
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