2020 Fiscal Year Annual Research Report
Genome modality in germ cells and its implications in diseases
Project Area | Genome modality: understanding physical properties of the genome |
Project/Area Number |
20H05939
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
岡田 由紀 東京大学, 定量生命科学研究所, 教授 (60546430)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
元池 育子 東北大学, 東北メディカル・メガバンク機構, 准教授 (70347178)
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Project Period (FY) |
2020-11-19 – 2025-03-31
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Keywords | 精子クロマチン / in vitro再構成 / ATAC-seq |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究課題では、精製タンパク質や生化学的に抽出した精子クロマチンを用いて、以下の3つの目標を設定している。(目標1)DNA物性の観点から、精子クロマチンの局所構造を明らかにする; (目標2)精子核内染色体配置を明らかにし、種間比較によりその生物学意義を探る; (目標3)プロタミン凝集異常を定量化し、男性不妊症の理解に繋げる。当該年度の実績を如何に記載する。 目標1:精子クロマチンの試験管内再構成と、ex vivo再構成を計画している。前者は使用予定の機器がCovid-19の影響で設置されておらず、進捗はない。後者は再構成の条件検討を行い、プロトコルの確立に至った。さらに二価イオンが精子クロマチン構造に影響することを明らかにした。 目標2:マウス・ヒト・ブタで実験を進めている。マウスはATAC-seqによる解析が完了し、精子形成過程におけるクロマチン凝縮のタイミングと程度を定量的に示すことができた。 目標3:ヒト不妊患者精子のシーケンス解析を行い、不妊患者に特徴的なクロマチン凝縮異常パターンを見出すことができた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
目標1:精子クロマチンの試験管内再構成は、使用予定機器の納品遅れで進捗はない。ex vivo再構成はプロトコルを確立し、一部は論文化中である。このプロトコルを用いて、溶媒中のイオンが精子クロマチン構造に与える影響を検討することができた。 目標2:まずは、凝縮過程にある精子クロマチンを経時的に採取・解析可能なマウス精子でATAC-seqを進め、正常なクロマチン凝縮を示す標準データを獲得した。ヒトは成熟精子でのATAC-seqを行った。 目標3:ヒト不妊患者精子のシーケンス解析を行い、不妊患者に特徴的なクロマチン凝縮異常パターンを見出すことができた。
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Strategy for Future Research Activity |
目標1:試験管内再構成に使用する機器が2022年夏に納品予定のため、それに向けて試料の調整をし、実験を開始する。ex vivo再構成は今後他のイオンや溶媒中因子の検討を行う。また領域内共同研究で、リポソーム内でのクロマチン再構成を行う 目標2:ブタ・アフリカツメガエルでのATAC-seq解析と、マウス・ヒトのFISHを行い、精子染色体テリトリーの解明を進める。 目標3:プロタミン変異体を作製し、目標1の再構成系にこれを適用して、プロタミンの質的・量的異常と精子クロマチン凝縮との関連を定量的に観察する。
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Research Products
(3 results)