2021 Fiscal Year Annual Research Report
Genomic modalities of development and differentiation and elucidation of disease mechanisms by their malfunction
Project Area | Genome modality: understanding physical properties of the genome |
Project/Area Number |
20H05940
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
白髭 克彦 東京大学, 定量生命科学研究所, 教授 (90273854)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
泉 幸佑 東京大学, 定量生命科学研究所, 客員准教授 (40383707)
朴 聖俊 東京大学, 医科学研究所, 准教授 (40759411)
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Project Period (FY) |
2020-11-19 – 2025-03-31
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Keywords | 希少疾患 / コヒーシン / コヒーシンローダー / Hi-C / 転写伸長 |
Outline of Annual Research Achievements |
令和3年度は、以下の実績を挙げた。 1)泉グループでは、将来的なゲノム解析を目的とした疾患モデル作成(細胞モデル・動物モデル)とその表現型検討に注力した。細胞モデルとして、AFF4遺伝子変異によるCHOPS症候群Induced pluripotent stem cells(iPS細胞)、そして染色体異常症であるパリスターキリアン症候群iPS細胞を樹立した。さらにマウスモデルとして、NKAP変異によるNKAP関連症候群マウスを樹立した。さらに行動解析によりNKAP関連症候群マウスが多動・学習障害を呈し、ヒトNKAP関連症候群に類似した症状を示すことを確認した。 2)朴グループでは、畳み込みニューラルネットワークをベースにした深層学習法を用いて、DNA配列情報のみからプロモーターとエンハンサー部位の特徴を学習し、分類する手法を開発した。これにより、非コードDNA領域の機能予測を行うことが可能となった。また、ゲノム高次構造と転写の相関解析に使用する基盤データの拡充を行った。ここでは、マウスES細胞由来のHi-C、ChIP-seq、ATAC-seqなどの80サンプル以上の大規模データ解析を実施した。Micro-CやEU-seqなどの独自のコヒーシン関連NGSデータも加えてゲノムモダリティ・スィート(GMS、https://gmsuite.hgc.jp/)で公開準備中である。GMSに関して、総括班、高田班、新海班との連携のもとで、基盤データベースとゲノム三次元立体構造のモデリングと可視化が終了し、公開した。 3)白髭グループでは、コヒーシンのATPaseの阻害がin vitroおよびin vivoでRNA Polymeraseの伸長反応を阻害すること、さらに、コヒーシンによる転写制御が転写伸長反応の調節因子であるNELFを介していることを明らかにした。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
コヒーシン病及びその関連疾患の病態を再現するモデル細胞を構築できた。このモデル細胞を用いて、ChIP-seq解析、RNA-seq解析、およびmicro-C解析を行ったところ、コヒーシンのプロモーターへのリクルート量の低下とともにNELFおよびBrd4のプロモーターへの集積が著しく減少することを見出した。一方で、これらの細胞ではいわゆる染色体ドメインやループそのものの形成はほぼ正常であった。これらのことは、コヒーシンが転写伸長反応を負に制御していることを示している。また、コヒーシンのATPase活性を阻害するAlFxを膜透過性を上げた細胞に添加したところ、昨年までにvitroで確認されていたように、RNAポリメラーゼの伸長遅延あるいは停止が見いだされた。これらの結果は、コヒーシンのATPase活性がRNAポリメラーゼの伸長反応を制御しているという我々の仮説を支持するものであった。一方で、ポリメラーゼが脱制御状態になった場合、どのようなことが引き起こされるのかは依然、不明なままである。現在、転写産物の質にコヒーシンが関与しているという仮説のもとに研究を展開している。
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Strategy for Future Research Activity |
泉グループでは、今後は樹立したモデルを用いたゲノム解析実験を行う予定である。 また、朴グループでは、令和3年度に得られたゲノム的解析と情報科学的モデリングのブラシュアップと情報基盤の本格的稼働を目指す。ゲノムの階層的構造情報、すなわち、配列修飾、コンタクト、立体構造を有機的に関連付けて機能解析を進める予定である。
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Research Products
(19 results)
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[Journal Article] Highly rigid H3.1/H3.2-H3K9me3 domains set a barrier for cell fate reprogramming in trophoblast stem cells.2022
Author(s)
Hada M, Miura H, Tanigawa A, Matoba S, Inoue K, Ogonuki N, Hirose M, Watanabe N, Nakato R, Fujiki K, Hasegawa A, Sakashita A, Okae H, Miura K, Shikata D, Arima T, Shirahige K, Hiratani I, Ogura A.
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Journal Title
Genes Dev.
Volume: 36
Pages: 84-102
DOI
Peer Reviewed / Open Access
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[Journal Article] Pericentromeric noncoding RNA changes DNA binding of CTCF and inflammatory gene expression in senescence and cancer.2021
Author(s)
Miyata K, Imai Y, Hori S, Nishio M, Loo TM, Okada R, Yang L, Nakadai T, Maruyama R, Fujii R, Ueda K, Jiang L, Zheng H, Toyokuni S, Sakata T, Shirahige K, Kojima R, Nakayama M, Oshima M, Nagayama S, Seimiya H, Hirota T, Saya H, Hara E, *Takahashi A.
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Journal Title
Proc Natl Acad Sci U S A.
Volume: 118
Pages: e2025647118
DOI
Peer Reviewed / Open Access
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