2022 Fiscal Year Annual Research Report
Fusion of reality and unreality brought by deep shitsukan
Project Area | Analysis and synthesis of deep SHITSUKAN information in the real world |
Project/Area Number |
20H05959
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
渡辺 義浩 東京工業大学, 工学院, 准教授 (80456160)
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Project Period (FY) |
2020-11-19 – 2025-03-31
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Keywords | 拡張現実 / コンピュータビジョン / コンピュータグラフィクス / プロジェクタ |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は、観測・環境に整合するモノの質感再現として、ダイナミックプロジェクションマッピングによって、多数回の屈折・反射を伴う現象を再現する研究に着手した。このような再現に向けて、パストレーシングと呼ばれる光線追跡によってグラフィックスを描画するレンダリング手法が必要となる。しかし、同手法は時間を要するため、ダイナミックプロジェクションマッピングの要請である数msでの完了を満たすことは難しい。そこで、まず、高いフレームレートがもたらす特性を利用することで、知覚上の投影像の積分効果によるノイズ低減や、微小なシーン変化によるグラフィクス描画の高速化を実現する手法を提案した。次に、このような投影の下で知覚される視覚ノイズを、計算によって評価可能な指標について検討を進めた。 次に、超越質感の提示による視覚拡張として、光を制御して視覚情報に変調を加えることによって、実物体に対する知覚を操作する試みに着手した。特に本年度は、インタラクティブなスポーツにおいて知覚操作を新たに実現することを目指し、エアホッケーに注目した。まず、エアホッケーのパックに無遅延で投影可能なシステムを構築した。このシステムを用いて、投影によりパックに光が当たらない状態を保ちつつ、背景における輝度変化を知覚上で補正し、パックを「消える魔球」のように不可視化する手法を提案した。さらに、周辺視野において発生する錯覚を利用し、パックの運動方向・速度が実際とは異なる状態にあるかのように知覚させる手法も提案した。 さらに、深奥質感の変容として、顔へのダイナミックプロジェクションマッピングによって、年齢を変容させる可能性について研究を進めた。さらに、本研究全体で重要な役割を果たしている高速なプロジェクタについて、そのフレームレートをさらに高める研究も進めた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
当初予定していた研究成果を上げるとともに、超高速のプロジェクタ開発など想定外の新たな研究も進展している。以上より、当初の計画以上に進展していると判断できる。
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Strategy for Future Research Activity |
進展中の研究を強化するとともに、新たに次の研究も立ち上げる。まず、場の質感操作について、プロジェクションマッピングの周囲環境が暗い問題を解決する研究に着手する。また、観測・環境に整合するモノの質感再現を強化するために、遅延に関する知覚特性の側面から、ダイナミックプロジェクションマッピングの品質を評価する研究を試みる。
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Remarks |
日本バーチャルリアリティ学会 第27回大会 学術奨励賞. Emerging Technologies Best Demo Award, SIGGRAPH Asia 2022. 2022 SIGMR賞 (日本バーチャルリアリティ学会 複合現実感研究委員会).
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