2012 Fiscal Year Annual Research Report
High-resolution environmental reconstruction for the Pacific civilizations using annually laminated lake sediments
Project Area | Pan Pacific Environmental Changes and Civilizations |
Project/Area Number |
21101002
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Research Institution | Naruto University of Education |
Principal Investigator |
米延 仁志 鳴門教育大学, 大学院学校教育研究科, 准教授 (20274277)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
豊田 和弘 北海道大学, 地球環境科学研究科(研究院), 准教授 (10207649)
五反田 克也 千葉商科大学, 政策情報学部, 准教授 (40453469)
奥野 充 福岡大学, 理学部, 教授 (50309887)
那須 浩郎 総合研究大学院大学, 先導科学研究科, 助教 (60390704)
守田 益宗 岡山理科大学, 理学部, 教授 (90289140)
安田 喜憲 国際日本文化研究センター, 研究部, 名誉教授 (50093828)
山田 和芳 早稲田大学, 人間科学学術院, 助手 (60508167)
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Project Period (FY) |
2009-04-01 – 2014-03-31
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Keywords | 湖沼堆積物 / 高精度環境史復元 / 環太平洋 / 環境文明史 / 第四紀学 / 古気候学 |
Outline of Annual Research Achievements |
(調査)ペルー・チチカカ湖、北海道・網走湖、沖縄県・漫湖での湖沼調査を実施し、堆積物試料を採取した。カンボジアではサンボープレイクック遺跡周辺の立地・堆積環境調査と考古年代測定資料を採取した。(分析)これまでに採取した堆積物の分析を継続し、中米・南米・琉球等の環境史復元がほぼ完了した。他計画研究に協力して、考古試料の年代測定を実施し、琉球の稲作開始期、セイバル遺跡の放射性炭素年代編年を実施した。(成果公表)高精度環境復元の成果を学会で積極的に発表し、国際誌に公表した。とりわけ、福井県・水月湖堆積物を用いて作成した放射性炭素年代の較正データセットは科学誌Scienceに掲載され(2012.10.29)、「世界最高の年代目盛り」として国内外で大きな反響が得られた。この成果により本計画研究の大目標の一つである高精度年代軸の作成が達成できた。またセイバル遺跡の編年の成果もScience誌に受理された(2013.04.26掲載)。 (意義)調査では、H23年度までにほぼ完了した試料採取をさらに補足し、さらに環境復元の成果を時間的・空間的により拡充することに成功した。試料分析の結果、他計画研究の考古調査が対象とする全地点(メソアメリカ、ペルー、琉球)で実証的に環境史と文明史の対応付けをすることができた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
当初からの全体計画の達成度を総括すると、予想以上の成果が上がっていると結論できる。当初研究目的であげた3項目ごとの達成度は以下のとおり。 (1)高精度年代軸の作成:予想以上に進展した。C-14年代の高精度世界最高レベルの成果を公表することができた。対象地域、すなわち日本、メソアメリカ、アンデス、琉球、カンボジアで採取した堆積物試料の層序・C-14年代による高精度編年も完了した。マヤ、琉球については他計画研究と協力して、高精度の考古編年を実施した。 (2)環境変動因子の復元:最終年度までの当初目的を含めほぼ完全に達成した。上記対象地域での古環境復元がほぼ完了し、限られた時代範囲に着目してより時間分解能の高い分析を実施した。中間評価において指摘のあったカンボジアでの環境復元についても、珪藻・地球化学分析を重点的に実施し環境復元結果の論文とりまとめの段階に至っている。なお、分析試料採取のための調査は完全に終了したが、当初計画以上の分析が進められた秋田県・一の目潟堆積物に関しては国際的なニーズが増大し、試料を追加収集する必要に迫られた。 (3)社会・環境変動の相互作用の解明:本年度までの計画を完全に達成した。他計画研究と合同研究会を複数回にわたって開催し、社会・文明史の変動と自然環境変動との対応関係を明らかにした。すなわちメソアメリカ、アンデス、琉球の社会・文化の盛衰に関わる環境変動の影響を実証的に明らかにした。
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Strategy for Future Research Activity |
(調査・分析)今後は、年代軸、環境史復元のための試料分析を継続し、期間の最後まで環境史アーカイブを充実させる。試料が不足状態になった一の目潟堆積物については最終年度の前半に調査を行い、国際的な共同研究に利用できるようにする。(環境文明史の構築)他の計画研究が対象とする地域(メソアメリカ、アンデス、琉球)と共同して、文明史との比較研究をさらに進める。(成果公開)最終年度を通じて、研究組織の全員が国際誌での論文出版に全力を尽くす。また研究代表者は他計画研究代表者と協力して、日本語での書籍出版や報告書等の作成を行う。また専門学会での発表、一般向けシンポジウムでの講演、インターネットでの情報発信を行い、当該領域の研究成果を全世界にむけて発信する。(問題点)現在のところ大きな問題点は予見されていない。試料分析に関しては実験補佐雇用により定常的に進むように工夫した。
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Research Products
(34 results)
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[Journal Article] Rapid Prediction of Past Climate Condition from Lake Sediments by Near-Infrared (NIR) Spectroscopy2012
Author(s)
Inagaki, T., Y. Shinozuka, K. Yamada, H. Yonenobu, A. Hayashida, S. Tsuchikawa, A. Yoshida, Y. Hoshino, K. Gotanda, Y. Yasuda
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Journal Title
Applied Spectroscopy
Volume: 66(6)
Pages: 673-679
DOI
Peer Reviewed
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