2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project Area | Pan Pacific Environmental Changes and Civilizations |
Project/Area Number |
21101004
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Research Institution | Yamagata University |
Principal Investigator |
坂井 正人 Yamagata University, 人文学部, 教授 (50292397)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
渡辺 洋一 山形大学, 人文学部, 教授 (10137490)
本多 薫 山形大学, 人文学部, 准教授 (90312719)
阿子島 功 山形大学, 人文学部, 名誉教授 (00035338)
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Keywords | 先史学 / 文明 / 環境 / ペルー南海岸 / 地上絵 / 気候変動 / ナスカ / 土器 |
Research Abstract |
ペルー南海岸のナスカ台地とその周辺地域において、地上絵をめぐる活動に注目しながら、文明と環境の関係について学際的に研究してきた。地上絵の大部分を占める放射状直線を主な分析の対象として、これらの放射状直線が連結することによって形成されるネットワーク構造が周囲の地形(特に山と谷)と密接な関係にあることを明らかにした。また、放射状直線の中心点付近に分布する土器を分析したところ、多様な環境利用のために山地から侵入したと考えられてきたワリ社会(7-10世紀)やインカ社会(15-16世紀)の土器はなく、これらの中心点ではローカルな海岸社会による活動が続いたことが分かった。さらに、ナスカ台地周辺に住む現代の農民たちが宗教的な目的で制作した地上絵に関して、その形態上の特徴、制作方法、地上での認識方法について調査したところ、ナスカ時代に制作された動物の地上絵との類似点が見出せた。こうした地上絵に関する研究を推進する一方で、ナスカ台地付近の水資源の利用の実態に関する現地調査を実施した。ナスカ台地付近でどのような水資源があり、それがどのように利用されているのか、その実態を把握するとともに、この地域の過去の降水量に関する1次データを現地の気象台などから入手した。さらに、ペルー南海岸の気候変動を解明するために、ナスカ近郊のパレドーネス遺跡に関する予備調査を花粉分析の専門家と一緒に実施した。またペルー南海岸および山地の湖沼調査に関する予備調査も実施した。
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