2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project Area | Quantum cybernetics - interdisciplinary studies of quantum controls and developments toward quantum computing |
Project/Area Number |
21102005
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
高橋 義朗 Kyoto University, 大学院・理学研究科, 教授 (40226907)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
向井 哲哉 日本電信電話株式会社NTT物性科学基礎研究所, 量子電子物性研究部, 主任研究員 (70393775)
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Keywords | 原子・分子物理 / 超精密計測 / 超伝導材料・素子 / 量子エレクトロニクス / 量子コンピュータ |
Research Abstract |
まず、京大グループでは、Yb原子光格子実験により、モット絶縁体状態、バンド絶縁体状態を実現した。さらに、引力相互作用および斥力相互作用するボース・フェルミ混合系を用意し、相互作用の違いによる原子系の振舞いの相違を、原子波干渉および光会合法により実験的に詳しく調べ、理論との比較によりその振舞いをほぼ理解することに成功した。また、フェルミ粒子についても、フェルミ粒子同位体混合を実現し、その同位体間の大きな引力相互作用による、集団運動の抑制を観測することに成功した。また、ボース粒子同位体混合系において、光フェシュバッハ共鳴効果を観測し、フェルミ粒子同位体混合についても光会合分光を系統的に行い、多くの共鳴を観測することに成功した。また、我々が考案した量子計算法実現のために新たに構築した真空チャンバーを用いて、光ピンセットにより金属チャンバー領域から薄型ガラスセル領域に原子を移動し、薄型ガラスセル領域にてBECを生成することに成功し、さらにそれを一次元光格子に導入して、磁場勾配を印加した状態で高分解能レーザー分光することに成功した。また、ほぼ単一原子を検出できる高感度蛍光検出系、およびそのための安定な光源系を開発した。また、量子非破壊測定により生成したスピンスクイズド状態を、光を用いて高速にデコヒーレンスなく操作することに成功した。 NTT物性科学基礎研究所では、アトムチップによる量子制御に不可欠な、トラップの捕捉安定性に関し、超伝導磁束が樹枝形状の崩壊現象を示すことを冷却原子により実測した。その結果、トラップの安定動作が可能な温度領域を見出すことに成功した。
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