2011 Fiscal Year Annual Research Report
計算解剖モデルの診断支援とオートプシー・イメージング支援応用
Project Area | Computational anatomy for computer-aided diagnosis and therapy :Frontiers of medical image sciences |
Project/Area Number |
21103008
|
Research Institution | Yamaguchi University |
Principal Investigator |
木戸 尚治 山口大学, 大学院・医学系研究科, 教授 (90314814)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
庄野 逸 電気通信大学, 電気通信学部, 准教授 (50263231)
橘 理恵 大島商船高等専門学校, 情報工学科, 助教 (90435462)
田中 伸幸 山口大学, 大学院・医学系研究科, 准教授 (90294636)
岡田 宗正 山口大学, 医学部附属病院, 講師 (70380003)
松永 尚文 山口大学, 大学院・医学系研究科, 教授 (40157334)
|
Keywords | 臨床評価 / 臨床展開 / 総合支援 / データベース / 生涯画像 |
Research Abstract |
本計画班は胸部疾患を中心として,生前と死後の画像診断・治療支援に関して,放射線医学の観点からの臨床的検討をおこなってきた.生前画像に対する研究としては,びまん性肺疾患の鑑別に関する研究,肺呼吸機能評価に関する研究,および肺葉や肺区域に対する外科切除術支援に関する研究をおこなった.びまん性肺疾患に関する研究では,びまん性肺疾患でみられる陰影に対して正常を含む6種類の陰影パターンに分類し,3000例以上の関心領域を用いた実験では前者は平均識別率で90%以上の結果を得ることができた.またびまん性肺疾患のひとつである塵肺に関してCT画像に基づいた支援診断のアルゴリズムの開発をおこない91.7%という高い識別率をえることができた.肺の呼吸機能評価に関しては吸気・呼気の2時相のCT画像の非剛体位置合わせに基づき呼吸による変位ベクトル場を求め,COPD(慢性閉塞性肺疾患)の患者を対象としたエア・トラッピングの検出と定量評価のためのアルゴリズムの開発をおこないPET画像と対比評価した.また肺癌の外科手術支援に関しては,肺区域切除術を支援するために術前の肺区域を同定するアルゴリズムの開発をおこない,肺葉切除術に関しては肺葉を切除した肺の術後機能を評価するために術後肺に対して肺葉の分割を可能とするアルゴリズムの開発をおこなった.また術後肺の機能評価のための肺の気流シミュレーションアルゴリズムの開発と評価もおこなった.死後の画像診断(オートプシー・イメージング)に関しては,診断支援のアルゴリズムを設計するための基礎となる定量評価データを得るためにミニブタを用いた死後24時間までの1時間ごとの経時的CT撮影をおこなった.このデータを用いて得られた各臓器の形状・テクスチャなどの経時的変化の定量情報はオートプシー・イメージングの支援応用アルゴリズムの作成に用いる.
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本計画班では,これまでの研究期間で開発した診断支援アルゴリズムに基づく診断情報の臨床的検証を積み重ね,計算解剖モデルに基づいた画像診断支援・治療支援システムを,放射線医学の観点から臨床的に評価する基盤を確立した.またオートプシー・イメージングの支援応用に関しても,臨床画像の評価とミニブタ用いた検討から技術の基礎的基盤を確立しつつある.
|
Strategy for Future Research Activity |
平成23年度に受けた中間評価の指摘を受けて,今後は診断支援に加えて治療支援への応用や他の研究グループとの連携を積極的にすすめていくことを予定している.また,オートプシー・イメージングに関してはミニブタを用いた動物実験を引き続きおこない,臓器形状やテクスチャなどの経時的変化の定量情報の解析と診断支援応用の研究をおこなう.
|