2009 Fiscal Year Annual Research Report
マクロコヒーラント増幅機構を用いたニュートリノ対生成の検出
Project Area | Extreme quantum world opened up by atoms -towards establishing comprehensive picture of the universe based on particle physics- |
Project/Area Number |
21104002
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Innovative Areas (Research in a proposed research area)
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
笹尾 登 岡山大学, 極限量子研究コア, 教授 (10115850)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中野 逸夫 岡山大学, 大学院・自然科学研究科, 教授 (90133024)
吉村 太彦 岡山大学, 理学部, 特任教授 (70108447)
福見 敦 岡山大学, 理学部, 助教 (40426656)
南條 創 京都大学, 大学院・理学研究科, 助教 (40419445)
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Keywords | ニュートリノ質量 / マヨラナ粒子 / マクロコヒーランス / 超放射 |
Research Abstract |
1.[中性ルビジウム(Rb)原子からの超放射観測]基底状態(5S1/2)にある中性ルビジウム(Rb)原子に対し波長421.5nmのレーザー光照射により励起状態(6P1/2)を作成し、そこからの超放射現象を研究した。6P1/2からは2つのカスケード超放射パス、即ち6P1/2->6S1/2->5P3/2及び6P1/2->4D3/2->5P1/2が存在する。実験の結果、これらの超放射を観測することに成功した。また、超放射角度分布の測定、2つのパスの相関、原子数依存性などの物理量を測定した。 2.[中性バリウム原子からの超放射観測]中性バリウム原子は、寿命が1/8秒と非常に長い準安定状態(6s5d 1D2)を持つ。このため、二光子対超放射の実験的検証に適していると考えられている。本年度においては、準安定状態を多数、高速で生成することを目標の1つとした。その生成方法は、基底状態(6s2 1S0)原子を一度中間状態(6s6p 1P1)に励起し、その状態から超放射現象を利用して、目的とする準安定状態を生成することとした。まずヒートパイプを製作し、その基礎特性を確認した。その後、バリウム標的に1S0->1P1遷移に対応するレーザー光(554nm)を照射して、1P1状態から1D2状態への超放射(1500nm)を観測した。これにより、例えば800℃においては約10^13個の準安定状態を3nsで生成することに成功した。これを自然放出4μsの場合に比べると1000倍以上の加速である。また、観測された超放射強度の標的密度依存性、放射の角度依存性、遅延時間と標的密度との関係等を実験的に明らかにし、理論予想と比較した。更にトリガーレーザー光(1500nm)を照射すると、当該超放射が誘起され、超放射の強度が強くなること、それに伴い遅延時間が短くなること等を発見した。以上に加え、より精密な数密度測定法および緩和時間測定法を開発した。 3.[その他の成果]二光子対超放射に関連する理論及びシュミレーションの研究、窒素内包フラーレンからの超放射観測予備実験等を行った。イオントラップを作成し、トラップの基礎的な性能を検証した。
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Research Products
(8 results)
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[Presentation] マクロコヒーランス増幅機構を用いたニュートリノ質量分光(IX)-超放射を用いたバリウム準安定状態の生成実験-2010
Author(s)
大饗千彰, 福見敦, 中嶋享, 中野逸夫, 南條創, 岡林裕介, 笹尾登, 佐藤晴一, 内音坊僚平, 山口琢也, 吉村太彦
Organizer
日本物理学会第65回年次大会
Place of Presentation
岡山大学
Year and Date
2010-03-23
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[Presentation] 窒素原子内包フラーレンN@C60の高純度化と分光(2)2010
Author(s)
山口琢也, 内音坊僚平, 大饗千彰, 岡林裕介, 笹尾登, 佐藤晴一, 谷口敬, 中嶋享, 中野逸夫, 南條創, 福見敦, 吉川愛里, 吉村太彦, 若林知成
Organizer
日本物理学会第65回年次大会
Place of Presentation
岡山大学
Year and Date
2010-03-23
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[Presentation] マクロコヒーランス増幅機構を用いたニュートリノ質量分光(VIII)-低温マトリックスに単離・貯蔵した励起原子の分光測定-2009
Author(s)
中嶋享, 福見敦, 中野逸夫, 南條創, 大饗千彰, 笹尾登, 佐藤晴一, 内音坊僚平, 若林知成, 山口琢也, 吉村太彦
Organizer
日本物理学会秋季大会
Place of Presentation
甲南大学
Year and Date
2009-09-10
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