2013 Fiscal Year Annual Research Report
単一イオン光時計による基礎物理定数の時間変化の探索
Project Area | Extreme quantum world opened up by atoms -towards establishing comprehensive picture of the universe based on particle physics- |
Project/Area Number |
21104006
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
杉山 和彦 京都大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (10335193)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田中 歌子 大阪大学, 基礎工学研究科, 講師 (20359087)
盛永 篤郎 東京理科大学, 理工学部, 教授 (90246687)
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Project Period (FY) |
2009-07-23 – 2014-03-31
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Keywords | 物理定数 / 量子エレクトロニクス / 超精密計測 / 原子分子物理 / 高性能レーザー |
Research Abstract |
本研究では、Yb+とBa+の単一イオン光時計を構築してそれらの周波数比を計測し、微細構造定数αの時間変化の検出を目指す。京都大学では、スペクトルの分解能をさらに高めるために、環境磁場に対して周波数変化が鈍感な奇数同位体171Yb+の利用を進めた。波長435 nm 2S1/2-2D3/2時計遷移の単一イオン分光に成功し、トラップ中のイオンの運動によるサイドバンドを明瞭に分解できるところまで分解能を高めた。αの時間変化に対して最も感度が高いが、スペクトル幅が極端に狭く励起が難しい2S1/2-2F7/2時計遷移を励起する時計レーザーの準備を進めた。基準レーザーの線幅狭窄化と、高出力レーザーの基準レーザーへの位相同期を達成した。Ba+は波長1.76μm 2S1/2-2D5/2時計遷移を励起する狭線幅レーザーシステムを開発し、単一イオンで時計遷移励起による量子跳躍信号を観測した。 光周波数比計測システムは、モード同期チタニウム・サファイアレーザーを用いた光周波数コムで、時計レーザーへのコムの位相同期がコムのモード線幅を狭窄化するほど強固ではないものの、平均周波数では計測可能なものを達成した。同時に開発している低パワー半導体レーザー直接励起で発振するYb:KYWレーザーを用いたシステムでは、コムの各モードの原点からのずれ、すなわちオフセット周波数の安定化に成功した。 大阪大学では、2次元型のイオントラップで、単一カルシウムイオンの波長729 nm 2S1/2-2D5/2時計遷移を観測した。磁場と偏光の制御により2S1/2-2D5/2遷移のゼーマン分裂したスペクトルを確認した。 東京理科大学では、2台の安定化半導体レーザーのビートを測定しながら、制御パラメータ、振動除去パラメータなどの微調整を行い、2台のレーザーのビート線幅を0.8Hzまで狭窄化し目標を達成した。
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Current Status of Research Progress |
Reason
25年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
25年度が最終年度であるため、記入しない。
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