2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project Area | Organic Synthesis based on Integration of Chemical Reactions. New Methodologies and New Materials |
Project/Area Number |
21106002
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
吉田 潤一 Kyoto University, 工学研究科, 教授 (30127170)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
野上 敏材 京都大学, 工学研究科, 助教 (60402963)
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Keywords | 有機合成 / 炭素カチオン / 炭素アニオン / 有機電解 / フロー合成 |
Research Abstract |
これまでにカチオン駆動型の三成分反応、すなわちカチオンプールとエナミン、炭素求核剤のワンポット(時間的反応集積化)での三成分カップリング反応について報告している。しかしながら、アニオン反応と比較するとカチオン反応はβ水素脱離などの副反応も多く、制御はより困難である。そこで、マイクロリアクターを用いて温度およびカチオン中間体の滞留時間を厳密に制御できる空間的反応集積化によるカチオン駆動型三成分カップリング反応について検討を行うことにした。 最初に、バッチ型反応容器を用いてワンポットでの三成分カップリング反応を行った。低温条件下、カチオン種とオレフィンとの反応を10秒間行った後、三成分目のアリルトリメチルシランを加えた。その結果中程度から80%程度までの収率で目的の三成分カップリング生成物が得られた。求核剤としてはアリルトリブチルスズ、ケテンシリルアセタール、トリエチルアルミなどが適用可能であった。しかし、時間の厳密な制御に問題があると考えられたため、空間的集積化の検討を行った。 2つのマイクロミキサーと2つのマイクロチューブ型リアクターから構成されたフローマイクロリアクターシステムを用いて、三成分カップリング反応を検討した。まず、R1の滞留時間を0.48秒に固定し、温度の検討を行ったところ温度を上げるに従って収率が向上した。この結果は活性種が0.48秒程度の滞留時間であれば、0℃付近まで安定に存在していることを示唆している。そこで、さらに短い滞留時間を検討したところ、0.16秒で収率が最大(82%)となり、これより短い滞留時間では収率の低下が見られた。アリルトリブチルスズやケテンシリルアセタールを炭素求核剤に用いた場合にもバッチの場合と比較して明確な収率の向上が見られた。このように空間的集積化により、反応の効率化が可能であることを実証した。
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Research Products
(21 results)