2012 Fiscal Year Annual Research Report
Integrated Reaction using Unique Reactions
Project Area | Organic Synthesis based on Integration of Chemical Reactions. New Methodologies and New Materials |
Project/Area Number |
21106005
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
松原 誠二郎 京都大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (90190496)
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Project Period (FY) |
2009-04-01 – 2014-03-31
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Keywords | 反応集積 / マイクロフロー / 有機銅 / 有機分子触媒 |
Outline of Annual Research Achievements |
キニジン由来のチオウレア構造と三級アミン構造を有する触媒を用いて,アセタール化とオキシマイケル付加反応を連続して行う時空間集積を実現し,合成上有用な1,3-オキソランを一挙に光学活性体として得られる分子変換を見いだした。また,古典的に用いられる有機マグネシウム反応剤の銅触媒存在下での1,4-付加により生じるエノラートをアルデヒドと反応させる時空間集積を空間集積で実施した。(1) 有機分子触媒を用いた時空間集積:キニジン由来のチオウレア構造と三級アミン構造を有する触媒を用いると,エノンに対する分子内オキシマイケル付加が進行し,光学活性テトラヒドロフラン環を高いエナンチオ選択性で与えることを既に見いだしている。この反応を鍵反応として,時空間集積を試み,基質としてアリルアルコール誘導体を用いてアルデヒドと共に,シンコナアルカロイド由来のチオウレア触媒を作用させ,アセタール化とオキシマイケル付加を集積することにより,光学活性1,3-ジオキソランを一挙に得た。(2) 有機銅反応剤を用いる空間集積型反応における時空間集積:有機マグネシウム反応剤は銅触媒存在下,エノンに対して1,4-付加することは良く知られている。しかし,この1,4-付加により生ずるエノラートをアルデヒドに反応させる時空間集積では,触媒反応ではアルデヒドの有機マグネシウム反応剤の直接反応という困難な問題があり,未だ化学両論量の銅を用いる反応が重要な役割を果たしている。3台のT字型マイクロミキサーと3台のチューブ型マイクロリアクターを組み合わせ,銅触媒によるシクロヘキセノンに対する臭化ブチルマグネシウムの1,4-付加とそれに続くベンズアルデヒドでのトラップをシクロヘキサノン共存下で行うことができた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
反応集積というキーワードを基に「特殊反応場の集積」という当初目的を持ち研究に着手した。現時点で,有機二亜鉛種を用いた特殊有機金属反応剤による時空間集積と空間集積を利用する新規6+1型7員環形成反応を見いだ等,順調な成果を得ることができた。それ以外にも有機触媒を用いる時空間集積を実現し,複素環化合物の不斉合成を見いだすことができた。これらの成果は,論文6報にまとめて報告することができており,おおむね順調に進展していると考える。
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Strategy for Future Research Activity |
有機亜鉛反応材を用いた「特殊反応場の集積」に残り11ヶ月をあてる。非平衡開放系という生体反応にも見られる反応系を有機亜鉛による不斉増殖において,マイクロフロー系を用いて実現する。
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Research Products
(10 results)