2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project Area | Organic Synthesis based on Integration of Chemical Reactions. New Methodologies and New Materials |
Project/Area Number |
21106007
|
Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
関根 光雄 東京工業大学, 大学院・生命理工学研究科, 教授 (40111679)
|
Keywords | 修飾RNA合成 / 固相合成法 / マイクロフロー合成 / 相間移動触媒反応 / 塩素対形成能 / 塩基識別能 / Activator 42 / 分子動力学的解析 |
Research Abstract |
本研究は、固相合成法を駆使し、塩基対形成能と塩基識別能を向上させた機能性人工核酸を創出することを目指すものである。本年度では、核酸塩基部を人工的に改変し、従来の核酸塩基よりもより優れた性質をもつ人工核酸と、糖部位の2'-水酸基に修飾基を導入し、ヌクレアーゼ耐性能を付与した新規RNA誘導体の創成のため、その効率的合成法の開発を行った。まず、シトシン塩基部位のアミノ基に(ピロールー2-イル)カルボニル(Pyc)基を導入したDNAオリゴマーの合成を固相合成法で種々検討した。その結果、このPyc基を損なうことなく目的の修飾DNAオリゴマーの合成法を確立することができた。また、未修飾体に比べると、より強く標的DNA,RNAと結合できることを明らかにした。さらに、2'一水酸基に2-(N-メチルカルバモイル)エチル(MCE)基やアリル基を導入した新規RNA誘導体の合成法も同様に検討した。その結果、これらの修飾RNA誘導体の固相合成には、Activator42が有効であることをみいだし、これらの一般的合成法を開拓することができた。また、これらの修飾RNAは極めて優れたヌクレアーゼ耐性能をもつこともわかった。さらに、これらの核酸合成に必要な合成中間体であるN^β-ベンゾイルウリジン誘導体をマイクロフロー系を用いた相間移動触媒反応によって、大量合成ができることをみいだした。この新規反応はわずか5分で完結した。2'-0-修飾RNAの合成に関連して、事前に分子動力学的解析によって、その標的RNAに対する結合能を評価できる世界初のシュミレーション法も開発することができた。
|
Research Products
(12 results)