2011 Fiscal Year Annual Research Report
立体選択的タンデム反応の開発と生物活性物質の集積合成への活用
Project Area | Organic Synthesis based on Integration of Chemical Reactions. New Methodologies and New Materials |
Project/Area Number |
21106009
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
中田 雅久 早稲田大学, 理工学術院, 教授 (50198131)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
丹羽 節 早稲田大学, 理工学術院, 助教 (30584396)
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Keywords | 有機合成化学 / 連続反応 / 反応集積化 / 生物活性化合物 |
Research Abstract |
分子内タンデムMichae1反応により単一生成物として得た化合物Aから基質を合成し、DBU存在下、MeOH中でPhSHを反応させた。その結果,渡環型連続Michael反応が進行し、3環式トランス-トランス縮環構造を持つ化合物が73%,dr=5.6/1で立体選択的に得られた。この化合物はfusidicacid同族体である抗生物質helvolic acidに含まれる縮環構造を持つ。また、化合物Aをチオールエステルに誘導し,Pd存在下にビニルスズ化合物を反応させるとLiebeskind-Srog1反応と続く分子内Diels-Alder反応が連続的に進行し、3環式トランス-シス縮環構造を持つ化合物が単一生成物として66%で得られた。この化合物の鏡像異性体は抗腫瘍性抗生物質oridonineに含まれる3環式縮環構造を持つ。 対称ジエステルの豚肝臓エステラーゼによる不斉加水分解により得た化合物から合成したヨウ化物を別途合成したγ-ラクトンとカップリングした。この化合物の分子内細見-桜井反応により68%,dr=4/1で所望の化合物Bを立体選択的に得た。化合物Bから誘導したアルデヒドと別途不斉合成したα-プロモケトンのカップリングは,内本らにより報告された条件を用いて成功し,引き続きBurgess試薬による脱水Raney-Niを用いた立体選択的水素添加,MeLiの立体選択的付加を経由し、閉環メタセシスの基質を合成できた。閉環メタセシスは基質の構造を変化させることにより高収率で進行させることができた。その後、数工程を経て(+)-ophiobolin Aの世界初不斉全合成に成功した。 ω-アルケニルチオールエステルと9-BBNにより得たアルキル9-BBNの分子内Liebeskind-Sroglカップリングは比較的合成しにくい下記中員環ケトンを好収率で与えることを見出した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
連続反応による2種類の3環式縮環構造の立体選択的構築に成功した(+)-Qphiobolin Aの世界初不斉全合成は論文が掲載された雑誌の9月号の中で最も多いアクセスを得た。Liebeskind-Sroglカップリングは反応条件が温和で適用範囲が広いため,これを活用する官能基変換法,導入法を検討中である。上記記載外の結果も得ているので、研究目的は概ね達成されていると判断している。
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Strategy for Future Research Activity |
本研究課題に加えるべき課題としては、フロー系による化合物合成の推進がある。フロー合成を天然物合成の出発原料の自動合成化にうまく活用できれば、省力化にも繋がるため、フロー系を活用する反応を研究している研究グループと共同研究を予定している。
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[Presentation] Total Synthesis of Nemorosone2011
Author(s)
Uwamori, M.; Saito, A.; Abe, M.; Nakada, M.
Organizer
The 6th Global COE International Symposium on 'Practical Chemical Wisdom'
Place of Presentation
Building #63, Waseda University (Tokyo)
Year and Date
2011-12-10
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