2013 Fiscal Year Annual Research Report
新たな集積合成手法に基づく多環性生物活性天然物の短段階全合成
Project Area | Organic Synthesis based on Integration of Chemical Reactions. New Methodologies and New Materials |
Project/Area Number |
21106010
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
谷野 圭持 北海道大学, 理学(系)研究科(研究院), 教授 (40217146)
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Project Period (FY) |
2009-07-23 – 2014-03-31
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Keywords | 有機化学 / 集積合成手法 / 付加環化反応 |
Research Abstract |
多官能性天然有機化合物の全合成においては,工程数の短縮が成功の鍵を握ることから、環骨格形成において複数の炭素-炭素結合を一挙に形成する反応集積化手法の開発を目指した。 デオキシタキシンBの全合成研究に関して前年度,アセチレンジコバルト錯体と6員環エノールシリルエーテルの[6+2]型付加環化反応によるビシクロケトンの立体選択的合成法および立体選択的核間位水素導入法を開発し,BC環セグメントの合成を完了していた。今年度は、BC環セグメントからのタキサン骨格構築を行い,以下の手順によりデオキシタキシンBの鍵合成中間体への誘導に成功した。まず,C環部の二重結合を選択的にジオールに酸化し,アセトニド保護体へ変換した。シロキシプロピルリチウムの立体選択的付加とmCPBA酸化を経て合成したエポキシニトリルの分子内環化反応は,モデル化合物合成の条件では進行しなかったため,再検討を必要とした。最終的に,基質のキシレン溶液に加熱下で塩基を滴下することにより,目的物を中程度の収率で得ることができた。核間位に導入されたメチル基の影響で基質の安定立体配座は環化に不利となっており,加熱下で立体配座を変化させる必要があるものと考察している。 一方,前年度にモデル化合物合成を行ったコーネギスチンについて,以下の成果が得られた。まず,シロキシフランとプロピル側鎖を導入したコバルト錯体の[5+4]型付加環化反応を行い、得られた環化体をマレイン酸無水物へ変換後,渡環エーテル部を開環させてジケトンを合成した。最後に,ヨードエポキシドの開環反応によりアリルアルコールを立体選択的に導入し,天然物のジエステル誘導体に導いた。このもののスペクトルデータは,コーネギスチンから誘導された化合物の文献値と良い一致を示すことが確認できた。
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Current Status of Research Progress |
Reason
25年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
25年度が最終年度であるため、記入しない。
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