2010 Fiscal Year Annual Research Report
有機磁性材料の構築を目指したポリジアゾ化合物の集積合成
Project Area | Organic Synthesis based on Integration of Chemical Reactions. New Methodologies and New Materials |
Project/Area Number |
21106013
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Research Institution | Mie University |
Principal Investigator |
北川 敏一 三重大学, 大学院・工学研究科, 教授 (20183791)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
平井 克幸 三重大学, 生命科学研究支援センター, 准教授 (80208793)
岡崎 隆男 三重大学, 大学院・工学研究科, 准教授 (90301241)
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Keywords | 三重項カルベン / 有機強磁性体 / ポリカルベン / 立体保護基 / ジアゾメタン / トリプチセン / フローシステム / マイクロリアクター |
Research Abstract |
多数の三重項カルベン分子を互いに強磁性相互作用するように連結すれば、有機強磁性体につながる高スピンポリカルベンが実現できると期待される。実用的な強磁性材料となるポリカルベンを構築するために、個々の三重項カルベンユニットの安定化の検討を進める必要がある。 1.昨年度までにジフェニルカルベンのテトラブロモ体およびジブロモジヨード体の発生を検討し、半減期がそれぞれ16秒および24秒であることを示した。本年度は立体保護効果より大きくするために4つのヨード基をオルト位に配したジフェニルカルベンを検討したところ、予想通り著しく安定(半減期18.4分)であることが明らかとなった。この結果、ヨード基の顕著な立体的カルベン保護効果が実証された。 2.ジフェニルカルベンを安定化するもう一つの手段として、巨大なパラ位置換基を用いてカルベン中心炭素を覆うことによる立体保護を検討した。種々の巨大な炭化水素置換基をパラ位に導入した前駆体ジアゾメタンを合成し、その光分解によるカルベンの発生を検討した結果、剛直な三次元構造をもつトリプチシル基で保護されたカルベンの寿命は10秒に達することが示された。パラ位置換基は前駆体ジアゾメタン合成の最終段階で導入することが可能であるため、それ以前の合成ステップを立体障害の影響を受けずに進めることが可能であり、立体保護基を持つジアゾメタンの効果的な合成法方針が確立できた。 3.ジアゾメタンの光分解に対するマイクロリアクターの有用性を確認するために、マイクロフォトリアクター装置を立ち上げ、今後フロー系の効果を検討するための環境を整えた。
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Research Products
(15 results)