2012 Fiscal Year Annual Research Report
Materials and slip processes of seismogenic faults
Project Area | New perspective of great subduction-zone earthquakes from the super deep drilling |
Project/Area Number |
21107005
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
木村 学 東京大学, 理学(系)研究科(研究院), 教授 (80153188)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小暮 敏博 東京大学, 理学(系)研究科(研究院), 准教授 (50282728)
石川 剛志 独立行政法人海洋研究開発機構, 高知コア研究所, グループリーダー (30270979)
藤本 光一郎 東京学芸大学, 教育学部, 准教授 (80181395)
廣野 哲朗 大阪大学, 理学(系)研究科(研究院), 准教授 (70371713)
氏家 恒太郎 筑波大学, 生命環境科学研究科(系), 准教授 (40359188)
山本 由弦 独立行政法人海洋研究開発機構, 地球内部ダイナミクス領域, 研究員 (10435753)
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Project Period (FY) |
2009-04-01 – 2014-03-31
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Keywords | 固体地球物理学 / 地震 / 大深度地下 / 地球変動予測 / 地質学 / 南海トラフ / 付加体 / 断層 |
Outline of Annual Research Achievements |
掘削断層試料・化石地震断層の研究 1.日本海溝のプレート境界断層の掘削(JFAST)・回収に成功、加えて南海トラフで回収されている試料を基に日本海溝と南海トラフプレート境界断層物質の含水透水・不透水条件下高速摩擦実験を実施した。その結果、スメクタイト+thermal pressurization (TP)効果で浅部地震性すべりを促進、ガウジにはfluidizationの証拠を認定。2.日本海溝掘削(JFAST)で得られた掘削コアの鉱物分析を実施した結果、プレート境界はスメクタイトに富むことが判明。コスタリカ沖中米海溝掘削で得られたコアの鉱物分析も実施、沈み込み帯における続成作用、脱水作用について議論した。3.日本海溝で採集の間隙水のホウ素、ストロンチウム同位体分析を実施、プレート境界断層の直上でも間隙水は低温(おそらく<50℃)の流体岩石相互作用の履歴しか持っていないことが判明した。4.南海トラフ、スプレー断層の黒色部の再分析、台湾チェルンプ断層の炭質物分析および加熱実験、鉱物組成の再分析、粉砕石英粒子の溶解実験と房総断層の微量元素・同位体分析を実施した。5.四万十帯牟岐メランジュの方解石脈の酸素・ストロンチウム同位体測定の結果、堆積物だけでなく玄武岩からの脱水が必要なことが判明した。6.沈み込み帯10kmにあった陸上部の化石分岐断層での物性、解析を進めた。その結果、断層中核部(コア)を挟んで上盤と下盤で顕著なコントラストのあることが判明した。化石化していても地下深部に置かれた時の物性を保持しており、地震性断層滑り時、間震期の物性状態変化を探る重要な手がかりを得た。また分岐断層掘削へ向けて科学的・技術的指針も得た。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
南海トラフ現位置での深部分岐断層、およびプレート境界断層に関しては、まだ掘削試料の回収は実現していない。しかし、陸上部に露出する化石プレート境界断層、分岐断層に関する研究は着実に進んでおり、地震性すべりや、より速度の遅いすべりの断層に関する評価手法の確立も前進している。
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Strategy for Future Research Activity |
日本海溝で発生した、東北地方太平洋沖地震の緊急掘削に、本計画研究分担者も複数参加、断層すべりの分析に参画することとなった。プレート境界断層の回収に成功し、大きな成果が得られた。今後それらの研究を含めて、本計画研究の目的達成をめざす。今後、南海トラフおける断層試料が回収される予定であり、それらに関する研究をすすめる予定である。南海トラフ掘削で生じたIODPによる掘削スケジュールの若干の遅れやなどに対しても柔軟に対応している。
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[Journal Article] Stress states at the subduction input site, Nankai Subduction Zone, using anelastic strain recovery (ASR) data in the basement basalt and overlying sediments2013
Author(s)
Yamamoto, Y., Lin, W., Oda, H., Byrne, T., Yamamoto, Y
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Journal Title
Tectonophysics
Volume: 600
Pages: 91-98
DOI
Peer Reviewed
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