2010 Fiscal Year Annual Research Report
階層的ボトムアップ法による機能性分子結合ナノ界面の構築
Project Area | Coordination Programming - Science of Molecular Superstructures for Chemical Devices |
Project/Area Number |
21108003
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Research Institution | Chuo University |
Principal Investigator |
芳賀 正明 中央大学, 理工学部, 教授 (70115723)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
金井塚 勝彦 中央大学, 理工学部, 助教 (50457438)
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Keywords | 表面錯体 / レドックス活性錯体 / 積層化 / メモリデバイス / 混合原子価 / ルテニウム錯体 / DNA配線 |
Research Abstract |
機能性分子ユニットを「配位プログラミング」を利用して組み上げて超分子集合体デバイスを作ることが本研究の最終的な目標である。そこで、レドックス活性あるいは光機能性の金属錯体を分子ユニットとして表面錯形成法により任意の順序で逐次積層化させた集合体を表面に構築し、それを光イメージセンサや積層膜の蓄電能を利用した光メモリデバイスなどに応用した新たな分子デバイスの創製を目指している。本年度は昨年度に引き続き、表面で垂直に分子配向する4個のホスホン酸基をアンカー基としてもつ表面錯体を固定した修飾電極での酸化電位パルス印加に伴い、それまでアノード光過渡電流を示していた状態からカソード光過渡電流への反転が観測されるメモリ効果が観測された。この現象を詳しく調べた結果、表面固定されたRu(II)錯体がRu(II)からRu(III)に酸化されるのに伴い、錯体膜中にイオンの取り込みが起こり、これが表面状態での履歴として残ることがわかった。カソード光電流は錯体の分子長に依存し、分子長が大きいと増加することから、表面に印加された電位をメモリする電位による書き込み-光電流による読み取りという新しいタイプのデバイスになることが明らかになった。さらに2,3,5,6-テトラ(ピリジル)ピラジンを架橋基にもつ新規二核錯体を合成し、この二核錯体を表面固定化し、表面集合構造をX線小角散乱(GISAXS)により検討したところ、予想される積層構造が出来ていることがわかった。また、固体表面へのナノ物質の位置を決めた集積化のためにレーザー光をガイドとした金表面へのDNA配線およびナノ微粒子のナノリング形成に成功した。この手法は、新たなナノ物質の位置と数をプログラミングして固定化できる方法論となる。
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