2010 Fiscal Year Annual Research Report
外場刺激による表層分子トポロジー可視化システムの構築
Project Area | Coordination Programming - Science of Molecular Superstructures for Chemical Devices |
Project/Area Number |
21108004
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Research Institution | Kyoto Institute of Technology |
Principal Investigator |
佐々木 園 京都工芸繊維大学, 工芸科学研究科, 准教授 (40304745)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
増永 啓康 (財)高輝度光科学研究センター, 利用研究促進部門・動的構造チーム, 研究員 (50398468)
小川 紘樹 (財)高輝度光科学研究センター, 利用研究促進部門・動的構造チーム, 研究員 (00535180)
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Keywords | 放射光X線散乱法 / マイクロビームX線 / GISAXS法 / 電気化学的特性 / 薄膜・表面構造 / 有機金属錯体 |
Research Abstract |
平成22年度は、大型放射光施設SPring-8の高輝度・高指向性X線を利用したマイクロビームX線回折・散乱計測システムを構築した。試料ステージは反射型および透過型の両方の計測に利用可能な設計とした。単色X線ビームを実験ハッチ最上流の4象限スリットで約100μm(垂直)×100pm(水平)のサイズに仮想光源として成形し、本研究で設計・製作したマイクロビーム光学系のフレネルゾーンプレート(FZP)とセンタービームストップ(CBS)に導いた。ビームの中心部分はCBSで吸収し、その外側の光をFZPで集光した。0次光とFZPで回折された高次光および寄生散乱をカットするために、Order Selecting Apertureおよびピンホールをそれぞれ試料の直上流に配置した。今回は集光サイズの異なる2種類のマイクロビーム成形を試みた結果、波長0.09nmのX線を用いて、試料位置で約3μm(垂直、FWHM)×7.5μm(水平、FWHM)および約1.6μm(垂直、FWHM)×1.9μm(水平、FWHM)のビームサイズに集光することに成功した。このマイクロビームを使って透過型で計測した極細ナイロン繊維(直径約200μm)1本からの小角・広角X線散乱パターンから、繊維最表面近傍(skin部)は、中心部(主として core部)と比較して、結晶性が高く、分子鎖およびラメラ晶の配向性が高いことが判った。BL45XUのマイクロビームは、有機・高分子の局所構造を評価するのに十分な明るさであったため、Grazing-Incidence Small-angle X-ray Scattering(GISAXS)計測システムに本マイクロビーム光学系を組み込んだ。A01班内共同研究としては、電解溶液中酸化還元電位下で有機金属錯体薄膜の層状構造を評価するための放射光GISAXS実験法を構築した。
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