2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project Area | Coordination Programming - Science of Molecular Superstructures for Chemical Devices |
Project/Area Number |
21108005
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Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
吉本 惣一郎 熊本大学, 大学院・先導機構, 特任助教 (30323067)
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Keywords | 表面・界面物性 / 走査型プローブ顕微鏡 / 自己組織化 / ナノ材料 |
Research Abstract |
配位プログラミングによる化学素子へ展開するためには,精密に構造が制御されたプラットフォームを作製することが重要となる.本研究課題では,電極表面上でのポルフィリンやフタロシアニン,フラーレンといった機能性有機分子の階層的な組織化膜の作製とそこから発現される機能に関して,単結晶電気化学をベースに電気化学走査型トンネル顕微鏡(EC-STM)や原子間力顕微鏡(AFM)を用いてナノレベルの構造評価を行うことが目的である.平成22年度は,昨年度導入した電気化学STM測定装置にAFMの増設を行い,膜厚のある薄膜系の表面状態の測定を可能にした.一方,ビスターピリジン誘導体やテトラピリジルポルフィリンとコバルト,鉄や銅イオンによる金属配位による薄膜形成について検討を進めた.その結果,ビスターピリジン誘導体と金属イオンの二段階浸漬法による薄膜形成では,コバルトイオン,鉄イオンの相違がボルタモグラムに現れた.ピークセパレーションおよび吸着量はそれぞれ70mVと10mV,7.8×10^<-11>mol/cm^2と4.6×10^<-11>mol/cm^2となり,電子移動速度と金属イオンの配位量が異なる結果となった.一方,テトラピリジルポルフィリンをビルディングブロックに用いた2次元金属配位結合形成も試みた.その結果,ドメインのサイズが小さいもののヨウ素修飾金単結晶表面上でその2次元形成が見いだされ,分子と基板間の相互作用を制御することが金属配位結合を形成させる要因の一つであることが示された.このように,電極表面上で直接的に金属配位結合を合成することで,電極表面における金属イオンの配位能の違い,金属イオンの錯形成に及ぼす配位子の構造の相違が電気化学測定とナノスケールの表面構造解析により明らかになった.
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Research Products
(16 results)