2011 Fiscal Year Annual Research Report
レドックス活性錯体クラスターによる双安定性結晶・液晶・液体場の創成
Project Area | Coordination Programming - Science of Molecular Superstructures for Chemical Devices |
Project/Area Number |
21108007
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
張 浩徹 北海道大学, 大学院・理学研究院, 准教授 (60335198)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
加藤 昌子 北海道大学, 大学院・理学研究院, 教授 (80214401)
小林 厚志 北海道大学, 大学院・理学研究院, 助教 (50437753)
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Keywords | 相転移 / レドックス / 金属錯体 / 基礎固定 / 金錯体 / カラムナー液晶 / リオトロピック液晶 / 自己会合 |
Research Abstract |
本研究ではレドックス活性分子の電極基盤固定化を指向し、Pt(Bdt)(R-bpy)]中におけるPt及びBdtのS原子上に存在する非共有電子対のルイス酸とのDative Bond形成能を検討した。その結果、Rにトリデシル鎖を有する[Pt(Bdt)(C13bpy)]とCdClO_4の反応によりShuttlecock型超分子[Cd{[Pt(Bdt)(C13bpy)]_3}](ClO_4)_2を、一方、Rにt-Bu基を有する[Pt(Bdt)(t-Bubpy)]の場合、捻れ型三核錯体,Cd{[Pt(Bdt)(t-Bubpy)]_2}](ClO_4)_2の形成に成功した。興味深い事に、前者においてはS-Cd型Dative Bondが、また後者においてはS-Cdに加え、Pt-Cd型Dative Bondが形成され、Pt上のdz^2軌道を利用した基盤固定化に向け有効な知見が得られた。また、液晶分子の完全配向制御を実現し、合理的な電気化学変換を実現すべく、新規ホスホン酸修飾分子の合成に成功しITO基盤への固定化を確認した。我々はPt,Pd錯体液晶に加え、電荷の自由度を内包したレドックス活性イオン性集合体を創成するべく、Au(III)を用いたイオン性錯体,[Au(Bdt)(Cnbpy)]・Anionを高い収率で行える諸条件を見いだした。興味深いことに、このAu(III)錯体はカチオン性であるにも関わらず自己集合カラムを形成する。更に興味深いことに、分岐鎖を含むn=10-8錯体は流動性のある黄色生成物をあたえ、neat状態では光学異方性が実験条件内では観測されないものの、アセトニトリルの添加により即時に光学異方性を与え本錯体が両親媒性界面活性剤として働きリオトロピック的性質を発現していることを示す。本成果は、イオン性メソゲンの両親媒性により各種溶媒との共存により電子的に柔軟な集合体の構築を示唆する有益な情報である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
本研究はレドックスによる電子移動に基づいた分子集合体の動的変換を目的としている。その合理的制御には分子レベルにおける設計(合成)と巨視的物性を制御するためのマクロ相制御が必須です。本期間においてはカチオン性メソゲンの合成法が確立されたと同時に、中性メソゲンとは異なる新しい中間相であるリオトロピック相を発見し、目的とするライブラリー構築を予定より早く進めていると自己評価している。更に基盤固定化分子の合成とそのレドックス応答も予定より早めて遂行している。
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Strategy for Future Research Activity |
今後はこれまでに創成した中性及びカチオン性メソゲンを基盤へと固定化すべく、基盤ホスト分子の合成を精力的にすすめ、アンカー分子から構成される単分子膜の性質を明らかにすると共に、アンカー分子上へバルク相を展開し、自己会合能力によるマクロ配向制御を試みる。更に高度に配向制御されたバルク相を用いた静的電荷輸送やエネルギー輸送能を明らかにすると共に、動的なレドックスを誘起し、アンカー分子の電子的双安定化に基づく非線形応答やマクロ物性変換を展開する。
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[Journal Article]2011
Author(s)
H.-C.Chang, K.Komasaka, K.Kishida, T.Shiozaki, T.Ohmori, T.Matsumoto, A.Kobayashi, M.Kato, S.Kitagawa
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Journal Title
Inorg. Chem.
Volume: 50
Pages: 4279-4288
DOI
Peer Reviewed
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