2011 Fiscal Year Annual Research Report
Project Area | Coordination Programming - Science of Molecular Superstructures for Chemical Devices |
Project/Area Number |
21108010
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Research Institution | National Institute for Materials Science |
Principal Investigator |
竹内 正之 独立行政法人物質・材料研究機構, 高分子材料ユニット, グループリーダー (70264083)
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Keywords | π電子性化合物 / 分子集合体 / 高次構造構築 / ポルフィリン金属錯体 / 配位プログラミング |
Research Abstract |
究極の情報担体であり、機能単位である単一分子の配位プログラミング、配位化学が織りなす集合体の超分子プログラミングの確立ならびに創製を目指し、金属錯体分子種を利用したπ電子系化合物の自律的組織化、集積化を多次元的に展開する。すなわち、分子間あるいは集合体間相互作用に基づく高機能化、自己プログラミング機能を持つ金属錯体を創出し、自律的な組織化、集積化手法を確立する。次元性、階層性を兼ね備え、電子的なネットワークの発達したπ共役系高分子集合体ならびにπ共役系分子集合体の緻密配列制御を達成する。まず、架橋タンパク質のバンドリングによるアクチンフィラメント高次構造構築に習った金属錯体を利用した階層構造構築、ならびに金属錯体を基盤とする力学応答素子の創製に関する研究を行い、その結果を高次π電子系ネットワーク構造構築へと展開する。平成23年度は以下の研究に取り組んだ。(1)「階層構造構築にテンプレートを用いた新たな手法」を検討し、重合機構に関して種々のコントロール実験を行い、集合体内での重合が進行する機構が正しいことが示されつつあるものの、物性としての導電性に関しては数値の確認を引き続き行う。また、(2)絶縁性の被覆がなされた導電性高分子を構成するモノマーに関して、絶縁部分のアルキル鎖長とその二面角の関係について検討し、炭素1つの違いが大きく光学物性に現れることを見出した。(3)金属錯体を含む高分子を利用したπ共役系分子の結晶形態制御に関してはC60、C70を用いた場合、それぞれプレート構造を基本とする球状構造へと収束し、混合系では形状に特徴を残したまま混合した結晶性集合体が得られることを明らかとした。(4)π曲面を有する金属錯体を利用したフラーレンの高次元結晶化においては新規な2次元階層構造が合目的に得られ、異方的な物性が観測された。24年度以降さらに検討を加えていく。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究計画に基づき、研究を進展させることが出来た。一部の研究において、震災の影響で学生が研究から離脱するなど予想外の事が起こったものの、π電子系化合物の階層構造構築に向けて順調に進展している。
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Strategy for Future Research Activity |
順調に推移しているものの、共同研究推進や組織化プロセスのスクリーニングには人的リソースが足りていないことを認識している。解決策として、24年度は研究業務員を雇用し研究目的の計画以上の進展を目指したい。
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Research Products
(8 results)