2010 Fiscal Year Annual Research Report
金属錯体の階層的な組織化によるソフトな化学空間の配位プログラミング
Project Area | Coordination Programming - Science of Molecular Superstructures for Chemical Devices |
Project/Area Number |
21108012
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
田中 健太郎 名古屋大学, 大学院・理学研究科, 教授 (40281589)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山田 泰之 名古屋大学, 物質科学国際研究センター, 助教 (10385552)
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Keywords | 金属錯体 / 超分子 / ペプチド / 液晶 / 自己組織化 / ポルフィリン / フタロシアニン / 大環状化合物 |
Research Abstract |
本研究は、ディスクリートな自己組織化による「数」、「組成」、「配列」、「方向」に分布を持たない精密分子の構築と、ポリメリックな自己組織化によるマクロスコピックな物性発現に通じる分子組織の構築を組み合わせることにより、金属錯体の自己組織化による階層的な分子集合構造のプログラミングを行い、三次元的な分子組織をもとに新しい化学空間を創製することを目的としている。 具体的には、(1)中心金属や官能基修飾などによる物性チューニングが可能な、ポルフィリンやフタロシアニンの金属錯体をペプチドや超分子モチーフの中に精密な組織化をし、分子間相互作用を利用した新規機能の創製や、(2)金属錯体をモチーフとした階層的分子集積を行い、新しい概念からなるナノ化学空間を組織することによって、個々の分子の化学ポテンシャルを操作することによる、メゾスコピックな分子組織内での分子間コミュニケーションの動的制御を行う。ペプチド鎖の構築は、アミノ酸同士の縮合反応と脱保護反応を逐次的に繰り返すことにより行うため、ペプチド鎖内でのアミノ酸の配列を自由にプログラムすることが可能である。我々は、ペプチド二重鎖をポルフィリンで架橋した、ラダー型ポルフィリンアレイを合成し、スタックしたポルフィリンアレイを構築する方法論を見出した。また、ロタキサン形成を駆動力とした、より柔軟な超分子的ポルフィリン/フタロシアニンの一次元組織の構築についても検討を行った。4本のアルキルアンモニウム側鎖を導入したポルフィリンをテンプレートとし、ロタキサン形成とスタッキング相互作用を介して、4つのクラウンエーテルを持つフタロシアニンとの会合体を高効率で形成した。
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Research Products
(27 results)