2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project Area | Elucidation of Common Mechanisms for Allogeneic Authentication in Animals and Plants |
Project/Area Number |
21112004
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
稲葉 一男 筑波大学, 大学院・生命環境科学研究科, 教授 (80221779)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
笹倉 靖徳 筑波大学, 大学院・生命環境科学研究科, 准教授 (10400649)
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Keywords | Minos / トランスポゾン / 遺伝学 / プロテオミクス / 精子運動 / 走化性 / 海産生物 / ホヤ |
Research Abstract |
本研究は、ホヤなどの海産生物を用いて、動植物のアロ認証機構の研究システムや技術の開発を目的に進めた。まず、ホヤ精子の様々な画分を単離糸、二次元電気泳動による解析、ならびに質量分析計によるタンパク質同定を行った。その結果、精子の各コンパートメントに特異的に局在するタンパク質を明らかにし、アロ認証分子の候補を特定した。さらに、鞭毛軸糸のカラクシンが、カルシウム依存的にダイニンを調節し波形の非対称を調節すること、それが精子走化性に関与することを明らかにした。また、Sp17がカルパイン依存的に分解を受け、精子活性化の際のcAMP上昇に関与していることを明らかにした。一方、研究分担者はカタユウレイボヤにおけるトランスジェニック技術を改良し、アロ認証機構の解明に有用な系統の作製を目指している。カタユウレイボヤにおいて従来のトランスポゾンベクターよりも変異誘導率が上昇した新しいベクターをUAS-Gal4システムを応用して構築した。このベクターを利用して受精に関わる精子側因子の変異体をスクリーニングした結果、p21-activated kinaseが受精に関与していることを示唆するデータを得た。また、カタユウレイボヤの卵で発現を示す母性因子をノックダウンする逆遺伝学的手法を構築し、その発動に関する条件検討を進めた。本手法はGFP遺伝子がホヤの卵母細胞でエピジェネティックな抑制を受けることを利用して内在の遺伝子の発現を抑制するものである。さらに、カタユウレイボヤにおいて新しい蛍光プローブの導入を目指し、光変換型蛍光タンパク質Kaedeを利用した細胞ラベルが可能であることを示した。
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Research Products
(23 results)