2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project Area | Elucidation of Common Mechanisms for Allogeneic Authentication in Animals and Plants |
Project/Area Number |
21112005
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
馬場 忠 筑波大学, 大学院・生命環境科学研究科, 教授 (40165056)
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Keywords | マウス / 精子 / 卵子 / 卵管 / 卵丘細胞塊 |
Research Abstract |
マウスの系を利用して、雌性生殖器で起こる精子認証機構に関する研究を行い、次のような成果を得た。 (1)子宮卵管接合部での精子認識システムの解析 精子膜タンパク質ADAM3などをひとつのターゲットとして、子宮輸卵管接合部の抽出液からその結合タンパク質を同定することを試みた。いくつかの候補タンパク質が得られたが、有意にADAM3と1対1で結合するものが得られなかった。今後は、視点を変えて実験系を確立させる予定である。 (2)卵管峡部での精子認識システムの解析 子宮卵管接合部から移動した精子は、卵管峡部上皮細胞に接着・結合して一時的に滞留し、排卵刺激などによって離脱する。どのような認識システムで精子が結合し、どのようなシグナルが卵管から分泌・拡散され、そのシグナルの受容を介して精子が卵管膨大部へ移動するのかを理解するために、まず、精子への結合に関与する卵管峡部上皮細胞側の分子の同定を試みた。精子膜タンパク質画分をゲルに固定し、そこへ卵管峡部上皮細胞抽出液を通して結合するタンパク質の検索し、いくつかの候補分子を得ることに成功した。現在、それらの分子がどの精子タンパク質と結合するのかを調べている。 (3)卵子卵丘細胞塊での精子認識システムの解析 卵管膨大部に到達した精子は卵子卵丘細胞塊に侵入し卵丘細胞層を通過するが、これらの過程が受精で極めて重要であることが明らかになった。そこで、精子ヒアルロニダーゼSPAM1とHYAL5の阻害剤アピゲニン存在下で精子の挙動を調べた。アピゲニン存在下でも精子は正常に卵子卵丘細胞塊へ侵入し、十分な卵丘細胞層通過能と受精能を保持していた。したがって、ヒアルロニダーゼは精子認証に関与していないことが明らかになった。
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Research Products
(4 results)
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[Journal Article] Functional roles of mouse sperm hyaluronidases, HYAL5 and SPAM1, in fertilization.2009
Author(s)
Kimura, M., Kim, E., Kang, W., Yamashita, M., Saigo, M., Yamazaki, T., Nakanishi, T., Kashiwabara, S., Baba, T.
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Journal Title
Biology of Reproduction
Volume: 81
Pages: 939-947
Peer Reviewed
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