2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project Area | Elucidation of Common Mechanisms for Allogeneic Authentication in Animals and Plants |
Project/Area Number |
21112008
|
Research Institution | The Institute of Physical and Chemical Research |
Principal Investigator |
森 稔幸 The Institute of Physical and Chemical Research, 宮城島独立主幹研究ユニット, 基礎科学特別研究員 (00462739)
|
Keywords | 植物 / 生理学 / 生殖 / 発生 / 配偶子 / 受精 / 花粉 / 膜融合 |
Research Abstract |
これまでの研究成果として見いだされた高等植物受精因子GCS1は花粉内の雄性配偶子表面で特異的に発現する新規の膜貫通型タンパク質であることが示されており、高等植物の配偶子融合がタンパク質分子によって決定づけられていることが明らかとなった。平成21年度はGCS1分子の機能的構造を見出すべく、様々な改変GCS1をGFPの融合タンパク質として作製し、GCS1変異株に導入した。その結果GCS1の機能中心は、膜間通領域よりN末側にあることが示唆された。また、さらなる受精因子を同定するために、雌雄の配偶子特異的マーカー遺伝子を利用したシロイヌナズナ新規受精異常株の探索を試みた。その結果GCS1変異株に見られる未受精精細胞を高頻度に見せる株(#47株)の検出に成功した。#47株の表現型は雄側支配であり、同株を花粉のドナーとした場合においてのみ未受精精細胞が検出されることが分かった。また、種子に発達できない胚珠に加えて発達異常を見せる種子がしばしば検出された。花粉内の精細胞は対をなしており、一方は雌性配偶体(胚のう)中の卵細胞と融合して胚となり、他方は中央細胞と融合し胚乳(イネでいう白米部分)へと発達する。#47における上記の受精阻害はGCS1変異株のそれと比べると傾向が弱く、2つの精細胞のうち片方のみが受精を遂げる現象も見られ、上記の発達異常種子に繋がったものと考えられる。以上の結果から#47遺伝子は配偶子融合を何らかの形で補助する因子であることが示唆された。
|
Research Products
(6 results)