Research Abstract |
天然変性タンパク質のデータベースを構築するために,博士研究員1名,アノテータ3名,システムエンジニア1名(在三島)からなる開発チームを名古屋大学内に発足し,太田,福地が取りまとめを行うこととした.このチームで既存のデータベース:DISPROTの調査を実施し,どのようなデータがどういう形式で登録されているのかをサーベイした.データをまとめ,公開するためのサーバとしてクラスタマシンを国立遺伝学研究所に導入した.このサーバにMySQL, Xindice, Apache, Tomcat等のデータベース作成に必要なツールを導入し開発環境を整えた.その後,データベースの仕様,アノテーションツール・表示系の開発等を進めている.現在,xmlスキーマの設計,データ表示系,検索系等について試作版が完成している.廣明は,ヒトゲノムから天然変性領域予測法(Poodle-L)により予測された30残基以上の天然変性領域を,OB-フォールドと膜タンパク質ではさみ,改良を施したPRESAT-VECTORで発現させ,予測通り天然変性領域となるかをNMRで詳細に評価した.NMRのスペクトルから,これらのタンパク質はおおまかに,構造を持つ群,構造を持たない群,その中間群と3つに大別された.中間群となるタンパク質は,だいたいは構造を持たないが,二次構造をとる領域などが含まれている可能性がある.構造を持たない群となった領域を膜タンパク質に融合させると,膜タンパク質の溶解度を優位に上昇させる傾向があることを確認した.
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