2010 Fiscal Year Annual Research Report
植物ホルモンを介した炭素・窒素栄養バランス情報の伝達システムの解明
Project Area | Comprehensive studies of plant responses to high CO2 world by an innovative consortium of ecologists and molecular biologists |
Project/Area Number |
21114005
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Research Institution | The Institute of Physical and Chemical Research |
Principal Investigator |
榊原 均 独立行政法人理化学研究所, 生産機能研究グループ, グループディレクター (20242852)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
木羽 隆敏 独立行政法人理化学研究所, 生産機能研究グループ, 研究員 (20532097)
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Keywords | 光合成 / 二酸化炭素 / 植物ホルモン / 窒素栄養 / 遺伝子発現 |
Research Abstract |
1.高CO_2条件、高C/N条件でのホルモンオミクス解析 寒天培地上で[CO_2]=390ppmvで生育させたシロイヌナズナを1時間から2週間780ppmvで処理した時の、地上部のホルモン内生量の変化を合計2回解析したが、植物体サイズの増大は見られるものの、ホルモン内生量に統計的に有意な変化は見いだせなかった。そこで低CO_2条件を280ppmvにし、さらに土壌栽培に切り替え再度実験を行った。その結果、780ppmvで処理した植物においてtZ型、iP型サイトカイニンそれぞれに有意な増加が見られた。さらに同じ条件で高CO_2処理をしたシロイヌナズナ地上部全体と茎頂部(メリステム部分を含む)のホルモン分析を行ったところ、同様の結果が得られた。tZは側鎖末端に水酸基を持たないiPに比べ、地上部の成長促進により高い活性を持つことを、その生合成酵素遺伝子CYP735A変異体(cyp735ala2二重変異体)の解析により明らかにした。cyp735ala2はシュートメリステムが野生型に比べ小さくなるとともに、葉の面積当たりの細胞数が少なくなり、葉のサイズも小さくなっていた。次年度、IPT,CYP735Aの機能欠失型変異体について高CO_2に対する地上部のサイズ変化について検討する。 2.C/Nバランス条件により制御されるサイトカイニン生合成酵素遺伝子の解析 C/Nバランス条件により制御されるイネのIPT遺伝子(OsIPT4,OsIPT5)について、組織レベルでの発現パターンをプロモーター:GUS形質転換イネを用いて解析し、いずれも篩部組織で強い発現が見られた。昨年度の解析から少なくともOsIPT4は高CO_2条件で窒素依存的な発現上昇がさらに促進されることから、篩部におけるCレベルの上昇(恐らくスクロースレベルの上昇)がこの効果の引き金になっているものと考えられた。
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Research Products
(6 results)