2013 Fiscal Year Annual Research Report
植物ホルモンを介した炭素・窒素栄養バランス情報の伝達システムの解明
Project Area | Comprehensive studies of plant responses to high CO2 world by an innovative consortium of ecologists and molecular biologists |
Project/Area Number |
21114005
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Research Institution | Institute of Physical and Chemical Research |
Principal Investigator |
榊原 均 独立行政法人理化学研究所, 環境資源科学研究センター, グループディレクター (20242852)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
木羽 隆敏 独立行政法人理化学研究所, 環境資源科学研究センター, 研究員 (20532097)
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Project Period (FY) |
2009-07-23 – 2014-03-31
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Keywords | 光合成 / 二酸化炭素 / 植物ホルモン / 窒素栄養 / 遺伝子発現 |
Research Abstract |
高CO2条件への形態的応答に関わる遺伝子同定と機能解析 シロイヌナズナの生育において、CO2濃度を280から780 ppmvに上昇させると地上部器官の成長促進がみられる。その主たる原因の1つであるtZ型サイトカイニンの内生量増加のしくみについて、遺伝子レベルでの解明を試みた。その結果、IPT3遺伝子およびCYP735A2遺伝子の機能欠損変異体では上記の条件でのtZ型サイトカイニン内生量増加がみられなくなった。また、IPT3遺伝子とCYP735A2遺伝子の発現は高CO2処理もしくは糖処理で発現が増加するが、光合成電子伝達系の阻害剤処理でその上昇が強く抑えられたことから、CO2濃度変化に対するtZ型サイトカイニンの生合成調節はIPT3とCYP735A2によって主に行なわれており、その発現誘導は光合成由来の糖に依存していることが示唆された。また、CYP735A2遺伝子はサイトカイニンにより誘導されるが、IPTの多重変異体(ipt3,5,7)においても糖処理によるCYP735A2の発現上昇がみられたことから、高CO2処理によるCYP735A2遺伝子発現上昇は、IPTのサイトカイニン合成による二次的な制御ではなく、糖シグナルによる直接的な制御が行なわれていると考えられた。CYP735A2は根で発現する遺伝子であることから、CO2濃度上昇による光合成産物の地上部から根への糖転流上昇が、根でのtZ合成を活性化させていると考えられた。 イネのサイトカイニン生合成酵素遺伝子の解析 イネとシロイヌナズナでの研究から、窒素栄養によるサイトカイニン生合成調節には、硝酸イオンをシグナルとする誘導系とグルタミン代謝をシグナルとする誘導系が存在することを明らかにしたが、シロイヌナズナではグルタミンによる制御系は硝酸イオンシグナルに比べ役割が低いことを明らかにした。
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Current Status of Research Progress |
Reason
25年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
25年度が最終年度であるため、記入しない。
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