2009 Fiscal Year Annual Research Report
高CO2環境がイネの光合成とバイオマス生産に与える影響の解明
Project Area | Comprehensive studies of plant responses to high CO2 world by an innovative consortium of ecologists and molecular biologists |
Project/Area Number |
21114006
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
牧野 周 Tohoku University, 大学院・農学研究科, 教授 (70181617)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
鈴木 雄二 東北大学, 大学院・農学史研究科, 助教 (80374974)
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Keywords | 高CO2 / イネ / 光合成 / バイオマス / Rubisco / RBCS遺伝子ファミリー |
Research Abstract |
イネ葉身では、第12染色体にする座乗する4種(OsRBCS2からOsRBCS5)が発現。生育ステージを問わず、RBCS3の発現がやや強かった。第2染色体のOsRBCS1はほとんど発現していなかった。そして、全RBCSmRNAの発現量、葉緑体コードのRBCLmRNAの発現量およびRubiscoタンパク質量との間には非常に高い正の相関関係があった。RBCS2からRBCS5の分子種別のRNAi体を作製したところ、4分子種のすべてのRNAi体において発現抑制を行った分子種のRBCSmRNAの発現低下とRubiscoタンパク質量の減少が認められた。このことは、複数種存在するRBCSの一つの分子種のノックアウトが他の分子種の発現や翻訳レベルでは相補されないことを意味した。RBCS3RNAi系統においては、個葉レベルでの光合成機能評価を、葉身窒素含量あたりで行った。Rubisco量が光合成機能に対して過剰となる高CO_2分圧領域でやや光合成速度の向上が認められた。また、RBCS3 RNAi系統の現在のCO_2レベル(39 Pa)での個体レベルバイオマス生産を21日目、42日目および70日目で調べたところ、72日目でバイオマス生産の低下が明確に認められ、以前、RBCSアンチセンス遺伝子導入で観察されたような、生育初期において強いRBCS発現抑制とそれに伴う強い翻訳低下は生じなかった。収量もRBCS3 RNAi系統で低下していた。高CO_2環境条件での個体レベルでの成長解析は、現在解析中である。
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