2010 Fiscal Year Annual Research Report
高CO2環境がイネの光合成とバイオマス生産に与える影響の解明
Project Area | Comprehensive studies of plant responses to high CO2 world by an innovative consortium of ecologists and molecular biologists |
Project/Area Number |
21114006
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
牧野 周 東北大学, 大学院・農学研究科, 教授 (70181617)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
鈴木 雄二 東北大学, 大学院・農学研究科, 助教 (80374974)
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Keywords | 高CO2 / イネ / 光合成 / バイオマス / Rubisco / RBSC遺伝子ファミリー |
Research Abstract |
イネの核ゲノム上に5種のOsRBCS遺伝子が存在する。そのうち第12染色体に座乗するRBCS2かRBCS5の4種が、葉身でのRubiscoタンパク質の発現に関与していることがわかった。それゆえ、それらの分子種別のRNAi形質転換体を作製した。まず、明確なRubisco量の低下がみられたRBCS3のRNAi系統の個葉レベルでの光合成測定を行い、現在のCO_2分圧(39Pa)と高CO_2分圧(100Pa)下における個体レベルでの基本的な成長解析を行い、バイオマス生産の評価を行った。さらに、各分子種別のRNAi体次世代の12系統を70日間高CO_2分圧下で栽培し、高CO_2条件でWild-type系統の生育を上回る優良系統を選抜し、その光合成解析を行った。 次に、詔α魍剰生産し、Rubisco量を増強したイネについて、低温環境(19/16℃:day/night)および低CO_2分圧(28Pa)下での個体レベルでの基本的な成長解析を行い、バイオマス生産の評価を行った。また、RBCS過剰生産イネでは、Rubisco量が増強されているにもかかわらず、大気CO2条件(39Pa)では光合成は増加しておらず、バイオマス増産も認められなかったので、その要因を探るべく、CE-TOFMSによる網羅的な光合成中間代謝産物のメタボローム解析を行った。また、RBCS過剰生産イネでは、Rubiscoの生体内で部分的な不活性化が見られたので、Rubiscoの活性化にかかわるRubisco activase量を増減させた変異体を入手し、その光合成特性を調べた。
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