2012 Fiscal Year Annual Research Report
Modeling of CO2 response of plant functions
Project Area | Comprehensive studies of plant responses to high CO2 world by an innovative consortium of ecologists and molecular biologists |
Project/Area Number |
21114009
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Research Institution | Tokyo University of Agriculture |
Principal Investigator |
廣瀬 忠樹 東京農業大学, 国際食料情報学部, 教授 (90092311)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
彦坂 幸毅 東北大学, 生命科学研究科, 教授 (10272006)
衣笠 利彦 鳥取大学, 農学部, 助教 (80403377)
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Project Period (FY) |
2009-04-01 – 2014-03-31
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Keywords | 地球環境変化 / 植物 / CO2 / モデル |
Outline of Annual Research Achievements |
○葉群動態のCO2応答:つくばみらいFACEにおいて、イネ群落の葉面積動態を3年間(2010-2012年)調査した。生育CO2濃度の上昇は現存葉身面積(LAI)、葉身面積の生産とロス、緑葉身と枯葉身の葉身窒素含量、葉身重/葉身面積比のいずれにも影響を及ぼさなかった。CO2上昇は葉身面積の回転を早めるという仮説は棄却された。 ○葉群窒素分配のメタ解析:葉群内でどのように窒素を分配するかは物質生産に影響を与える重要な要因の一つである。近年利用されている葉群光合成モデルでは、植物が窒素を最適に分配していることを仮定しているが、現実の分配は最適ではない。どれだけ現実の分配が最適値から離れているかを知るため、メタ解析を行った。約300群落のデータを収集し、現実の窒素分配勾配が最適勾配の約6割であること、窒素勾配に生育温度の影響があること、生育CO2の効果はないことなどを明らかにした(現在も解析中)。 ○落葉・常緑種のCO2応答:樹木の高CO2応答の種間差が、常緑と落葉という機能型の違いで説明できるかどうか検討した。遺伝的に近縁な常緑樹と落葉樹のペアを5組選定し、それぞれの幼苗をOTC内で約380ppmと700ppmで栽培した。実験開始1年後では、高CO2による個体重の増加率は常緑樹と落葉樹で異なるものの、どちらの増加率が高いかは科によってまちまちであった。同様のことは光合成特性にもみられ、高CO2応答の種間差は、常緑と落葉という生活型の違いでは一般化が難しいと考えられた。 ○ジェノタイプの形質と生育環境の関係:44のシロイヌナズナジェノタイプについて炭素・窒素・水分の獲得・利用にかかわる様々な形質と生息地環境の間の関係を解析した。弱光下での光合成速度が最低月飽差平均値と負の相関を示すなど、様々な形質と環境の間に相関が見られた(現在も解析中)。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
2012年4月の爆弾低気圧によって実験開始時期が遅れたが、大きな影響はなく、予定通り研究が進展している。
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Strategy for Future Research Activity |
予定通り研究を遂行できる見込みである。
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Research Products
(19 results)