2010 Fiscal Year Annual Research Report
高分子非コードRNA作用マシナリー構成要素の探索と解析
Project Area | Functional machinery for non-coding RNAs |
Project/Area Number |
21115003
|
Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
鈴木 健夫 東京大学, 大学院・工学系研究科, 助教 (90533125)
|
Keywords | 非コードRNA / RNA修飾 / 末端構造 / 質量分析 |
Research Abstract |
非コードRNAには、mRNAと同じシステムで転写や成熟プロセスを受けると考えられながらも核外に移送されず核係留される性質を持つ分子が見られるが、そのような性質がRNAの化学修飾変化を伴うプロセシングとどのような関連があるかに注目し、RNA末端領域の修飾構造の詳細な解析を行った。これまでにマウスXist RNAの5'末端がcap1構造を持つことが示唆されたことから、同様に核係留の性質が知られるマウスMALAT1、MENε/β末端構造の解析を進めたが、これらの5'末端領域の濃縮がXistと同条件で達成されなかったため、各種条件の最適化を進めている。また、MALAT1、MENβの3'末端近傍にはtRNA様の構造が存在し、tRNAプロセシングと共通の経路であるRNaseP活性による5'末端切断およびRNaseZ活性による3'末端切断を経てtRNA様構造の切り出しが行われると共にMALAT1にpolyA配列の付加が起こる現象が知られている。マウスMALAT1のtRNA様分子の濃縮に成功し、質量分析による解析の結果、部位特異的な1-メチルアデノシン(m1A)修飾の検出に成功した。tRNA/tRNA様分子中のm1AがRNaseZ活性の切断効率のおよぼす影響の可能性を考慮し、MALAT1のtRNA様構造3'末端切断プロセスとm1A修飾との関連やm1A修飾酵素遺伝子の同定について今後も解析を進める計画である。
|