2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project Area | Functional machinery for non-coding RNAs |
Project/Area Number |
21115004
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
程 久美子 東京大学, 大学院・理学系研究科, 准教授 (50213327)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
西村 教子 東京大学, 分子細胞生物学研究所, 特任助教 (30514567)
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Keywords | 非コードRNA / 小分子RNA / miRNA / RNA結合タンパク質 / siRNA / RISC |
Research Abstract |
MicroRNA(miRNA)は、Argonaute(Ago)タンパク質に取り込まれ、miRNA-induced silencing complex(miRISC)と呼ばれるRNA-タンパク質複合体を形成する。miRISC中のmiRNAは、3'UTRに部分的に相補的な配列をもつmRNAを識別して対合し、他のmiRISC構成因子とともに翻訳抑制や分解を引き起こす。動物細胞における、このようなRNAサイレンシングには細胞質で起こると考えられており、miRNA、Agoに加えて、GW182ファミリータンパク質が必須であることが示されている。GW182ファミリータンパク質は、そのGWmotif(s)を介してAgoと直接相互作用し、P-bodyと呼ばれる細胞質内の点状の構造体に局在することから、miRNAによるサイレンシングは主として細胞質で起こると考えられている。我々は、ヒトGW182ファミリータンパク質に属するTNRC6Aは、核移行シグナル(NLS)と核外移行シグナル(NES)をもつ核-細胞質間輸送タンパク質であることを見いだした。TNRC6AのNES変異体は核のみで点状の局在を示した。さらに、TNRC6Aの核移行により核内でもRNAサイレンシングが誘導されることが示唆された。すなわち、TNRC6Aの核移行にはAgoタンパク質は必ずしも必要ではないが、GW motif(s)を介した相互作用によりAgoを核内へ輸送できることが明らかになった。このとき、核内のAgoにもmiRNAは取り込まれていた。さらに、内在性のGw182ファミリータンパク質をRNAiでノックダウンした条件下で、野生型TNRC6Aを発現させるとサイレンシング活性が回復したが、NES変異型TNRC6Aを核内で発現させても同様のサイレンシング活性の回復がみられた。これらの結果から、TNRC6AはAgo-miRNAを核内に運び、核内でもmiRNAによるサイレンシングを引き起こすと考えられた。
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Research Products
(23 results)