2011 Fiscal Year Annual Research Report
Project Area | Functional machinery for non-coding RNAs |
Project/Area Number |
21115004
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
程 久美子 東京大学, 理学(系)研究科(研究院), 准教授 (50213327)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山下 暁朗 横浜市立大学, 医学部, 講師 (20405020)
小田 健昭 東京大学, 分子細胞生物学研究所, 特任研究員 (00608523)
西村 教子 東京大学, 分子細胞生物学研究所, 特任助教 (30514567)
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Keywords | 非コードRNA / 小分子RNA / miRNA / siRNA / RNA結合タンパク質 / RISC / TNRC6A |
Research Abstract |
本研究では、小分子RNAによるサイレンシング機構のRNA結合タンパク質による調節作用、およびホストRNAの発現との関連における統合的制御機構を明らかにすることを目指している。平成23年度の主な研究成果は下記のとおりである。 (1) 2本鎖RNAのエデティング酵素であるADAR、小分子RNA結合タンパク質であるLIN28A, LIN28B、およびmiRNAサイレンシングの必須タンパク質であるTNRC6Aなどの、小分子RNAによる遺伝子発現制御機構に関わると考えられるタンパク質群をヒト培養細胞で発現させ、免疫沈降することで、それらと相互作用するタンパク質とRNAを質量分析と次世代シーケンサーにより特定した。さらに、TNRC6Aおよび2本鎖RNA結合タンパク質であるTRBPなどの安定的発現細胞系が構築できたため、これらについても解析を行っている。 (2) レンチウイルスを用いた、簡易なシングルコピーDNA組み換え配列(FRT)挿入法を樹立し、様々なFRT細胞株を樹立した。また、動物細胞を用いた、簡易なリコンビナント蛋白質作成法を樹立し、1x10e8の細胞から1~50microgの蛋白質精製を可能とした。これらの技術を使用し、動物細胞からのmRNA結合蛋白質生製法を確立した。さらに、特異的mRNAをアンチセンスオリゴLNAを用いて精製する方法の確立を目指し解析を行っている。 (3) RNA結合タンパク質D8がmiRNAの作用機序を制御し、標的RNAにコードされるタンパク質の発現を促進していることを明らかにした。さらにその制御機構はとして、D8タンパク質が標的RNAの2次構造を変化することによりmiRNAの働きを阻害していることを明らかにした。現在D8ノックアウトマウスの解析を行っており、D8の生理的意義を明らかにすると共にD8による小分子RNAの調節機構の詳細を解析している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
RNA結合タンパク質が結合するRNAおよびタンパク質の解析には培養細胞での安定的発現系を新たに構築する必要があることが新たに明らかになった。そのため、予定していた研究協力者だけでは不十分であることが判明し、代替者を確保して実施する必要が生じたため、研究分担者の交替があったが、その後、安定的発現系も順調に構築され、おおむね順調に進展している。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は、小分子RNAによる遺伝子発現制御機構のRNA結合タンパク質による調節機構についての情報解析を進めると共に、それらの機能を実験的に検証し
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Research Products
(28 results)