2010 Fiscal Year Annual Research Report
高次生命現象における時空間的な小分子RNAの生理機能解析
Project Area | Functional machinery for non-coding RNAs |
Project/Area Number |
21115006
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
中澤 敬信 東京大学, 医科学研究所, 助教 (00447335)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
宮川 さとみ 大阪大学, 生命機能研究科, 招へい教員 (90291153)
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Keywords | miRNA / piRNA / 神経細胞形態制御 / 精子形成 / 小分子RNA / 脳・神経 / 精巣 |
Research Abstract |
小分子RNA作用マシナリーが果たす生理機能とそのメカニズムの解析を目的として、本年度は以下の解析を行った。 (1)昨年度の解析によって、神経細胞の形態の変化によって発現が変動するmiRNAを複数同定していた。本年度は、それらの機能解析を行った。まず、注目したmiRNAの過剰発現を初代培養神経細胞にて行ったところ、神経細胞の形態が大きく変化することを見出した。また、それらmiRNAのノックダウンを目的としたコンストラクトも構築した。次に、注目したmiRNAの転写調節機構について解析を行い、TGFβ、IGF-Iといった液性因子や、ラミニン、コラーゲン、ファイブロネクチンといった細胞基質の刺激によって、miRNAの転写量が変動することを見出した。これら細胞外由来刺激はいずれも神経細胞の形態制御との相関が示唆されており、今回注目しているmiRNAと神経細胞形態制御との関連性をさらに示唆するものである。 (2)MILI欠損マウスでは、胎仔期精巣におけるMILIの欠損が原因で、精子形成の減数分裂中期以降の細胞が存在しないため、成体精巣におけるMILIの役割を欠損マウスで調べることができない。これは胎仔期の精巣でのみでMiliが発現するマウスを作製し、欠損マウスと交配することによって回復すると考えられる。そこで胎仔期の精巣でのみで発現するMiwi2のBACを用いたTgマウスを作製したが発現が認められなかった。次に、Miwi2のゲノム領域にFlag-Miliを組み込み、胎仔期の精巣でのみで発現するノックインベクターを作製しマウスを作製した。現在、発現等を確認している。また、Miwi2プロモーターを用いたアンチセンスEGFPを発現するTgマウス(Tg-asEGFP)を作製した。このマウスとTg-Oct-EGFPを交配し、マウスの胎仔精巣におけるサイレンシングのメカニズムについて現在解析をしている。
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