2012 Fiscal Year Annual Research Report
Studies on the roles of small RNA in mice
Project Area | Functional machinery for non-coding RNAs |
Project/Area Number |
21115006
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
中澤 敬信 東京大学, 医学(系)研究科(研究院), 特任講師 (00447335)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
宮川 さとみ 大阪大学, 医学(系)研究科(研究院), 特任講師 (90291153)
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Project Period (FY) |
2009-04-01 – 2014-03-31
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Keywords | 小分子RNA / miRNA / piRNA / 神経細胞 / 精子形成 / 脳・神経 / 精巣 / マウス |
Outline of Annual Research Achievements |
小分子RNA作用マシナリーが果たす生理機能とそのメカニズムの解析を目的として、本年度は以下の解析を行った。miRNA①miR-153欠損マウスの網羅的行動解析を行ったところ、open field試験における行動量の低下、tail suspension 試験における無動時間の増加、およびwater maze試験での行動量の低下等の異常を見出した。以上の結果はmiR-153欠損マウスの情動に異常があることを示唆している。②miR-153欠損マウスにおける薬物依存性異常を見出した。③新たに神経細胞の形態を制御しているmiRNAを同定した。piRNApiRNAの二次生成やpiRNAを介するde novo DNAメチル化を人為的に起こすシステムをマウス胎仔精巣内で以下のように構築し、解析を行った。この際、piRNAの2次生成はMILIおよびMIWI2が機能して、センス鎖とアンチセンス鎖のRNAからpiRNAが産生される過程であり、センス鎖とアンチセンス鎖のRNAが存在しさえすれば二次生成が進行しうるのではないかという仮説の下に実験系を構築した。胎生期の雄性生殖細胞において、EGFPアンチセンス鎖を発現するMiwi2-asEGFPトランスジェニックマウスを作製し、同時期にEGFPのセンス鎖を発現するOct4-EGFP トランスジェニックマウスマウスと交配した。その結果、piRNA依存的にEGFP遺伝子に対するDNAのメチル化が生じ、EGFP遺伝子の発現が抑制されることが明らかになった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
miRNA研究に関しては、当初の目的であった神経機能を制御するmiRNAの同定に成功し、個体レベルにおける当該miRNAの機能解析を推進している。また、piRNA研究に関しては、生後のMILIの解析のための、胎仔期の精巣でのみMILIを発現するTgマウスの作製はうまくいかなかったが、代わりにGS(germ stem)細胞を用いた実験が進行しており、両研究ともおおむね順調に進行している。
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Strategy for Future Research Activity |
miRNA個々のmiRNAの機能解析のみならず、マシナリーとしてのmiRNA複合体自体の制御機構や機能の解析を推進していく。piRNAこれまで準備をすすめてきた遺伝子改変マウスの表現型の解析をすすめ、精子形成過程におけるpiRNAの役割を明らかにしていく。また、GS細胞を用いて、piRNAの産生のしくみを明らかにする。
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